ラブコメ

カクヨムでラブコメを読んだんだ。

高校生男子がモテモテになるやつ。

その回は主人公が学校から家に帰る場面。


「ただいまー」と帰ると、妹が飛び出してきて抱き着く。

「お兄ちゃん、おかえりー」

主人公は妹の頭をなでなで。

妹は「今日学校で男子に告白された」と言う。

主人公が「それでどうした?」と訊くと、

「もちろん振ったよ。だって○○(妹の名前)が好きなのはお兄ちゃんだから」

「そうか、俺も好きだぞ、○○」

「じゃあ結婚してくれる?」

「○○に他に好きな人ができなかったらな」

「じゃあ決まりだね、えへへ」


って感じで終わったんだ。

おや、鼻で笑ったね。

でもね、1124人が読んで32人がその回を応援してたよ。

君の小説は何人が読んだ?

感想もあったよ。

「今回も最高に良かったです。次回も楽しみです」ってね。


今度は「負けたー」ってがっかりかい。

まあ、そう落ち込まずに聞いてくれよ。


こいつは稚拙とか幼稚って話じゃない。

単純、基本、原初だと思うんだ。

高度な話に見える作品だって、これに枝葉が付いただけかもしれないだろ。

ひたすらシンプルにラブコメを書く。

するとそこに、ラブコメのエッセンスを手っ取り早く摂取したい人たちが集まる。


シンプルって強いよね。

そこは馬鹿にするべきじゃない。

見習うべきだよ。

稚拙さを補って余りあるのさ。

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