第一章16話 遂に本格的な?訓練が開始する
ターダノは一週間程度第三魔王大隊の訓練を観続けることによって、視覚的にはかなり成長してきていた。
現時点では大隊の隊長クラスといっても過言ではないデミのとても素早い動きに関してもかなり目では終えるようになってきていた。
「ターダノ、だいぶ観る事が出来るようになってきたか?」
「うん、お父さん、だいぶ観ることができるようになってきたよ!
デミさんの動きも長距離を瞬足移動するときにはちょっと置いてかれることもあるけど、基本的には観れるよ!」
「そうかそうか!ターダノは偉いな!
じゃあ、そろそろ本格的に体を鍛えていくことにするか!」
「そうだよね、そろそろやらなきゃって感じがしてきたよ。
デミさんの動きを見て凄いなぁ・・・で終わらせるなんて勿体ないしね!
早くデミさんみたいに動けるようになりたいよ!」
「そうか〜デミのようにか〜
そこはできればお父さんみたいにとかいって欲しかったんだが、ははは」
「いや、お父さんの動く姿観たことないし、参考がデミさんしかいなかったからそう言ったんだよ」
「あっ、そうか、ターダノはあの時気絶していたんだもんな!はっはっは!」
「もう!そんなに笑わないでよ!あの時は本当に一瞬で気絶しちゃったんだから!
そんなことより、体を鍛えるってどうするの?」
「話を変えたな、ははは!まぁ、良い。
えー、体を鍛えるというのはどのようにすれば良いのか?ということだが、簡単だ。
真似をする!だ。」
「真似をする?どういうこと?」
「うむ、真似をするというのをわかりやすく説明すると、基本的に何か体技を会得したいという思いがあるとするだろ。
その時には実際にその体技を会得している者から学ぶことが最も近道とされている。」
「へー、そうなんだ!知らなかったよ。」
「そうだろう、そうだろう!実際知られていない場合が多いんだ。
特に、難しいと言われている体技に関しては特にその近道を辿らずに、途中で諦めてしまう者が多いと言われている。
確かに難しい体技を練習し続ければ体技を覚えることができるようになるかもしれない。
だが、実際周りの者から「お前にはどうせ無理」「そんなの出来るわけない」なんて言われつづけながら、実際に体技を会得するのは途中で諦める可能性も高いので本当に困難だろう。
だからこそ、すでに体技を会得している者から学ぶことが最短の近道であり、周りの者からも何かを言われたとしても、その体技を会得している者から教えてもらっているということが自信へと繋がり、結果的に体技も会得できるという訳だ。」
「おー、そう言われればそうだね!
確かに出来ないって周りから言われながら自己練で本当に覚えられるかどうか未確定な事をするのは大変だし辛いと思う。
そう考えると、僕って誰を師匠として体を鍛えれば良いの?」
「そうそうはやらなくて良いぞ、既にターダノの師匠となる方に依頼してある。」
「そっか、じゃあ、その師匠さんが来るのを待ってれば良いんだね?」
「あ、今来たぞ。」
「え」
ターダノが呟いた瞬間に背後に爆発といって良いほどの激しい砂煙が上がった。
それとともに、かなり強い衝撃波が放たれ、ターダノは吹き飛ばされそうだったが、ダノンゾルデが足を掴み飛んでいくのを防いだ。
(あ、足が抜けるぅ)
そんな事を思いながら衝撃波が収まって、ターダノはさっきまで立っていた背後に当たる場所に立っている者を観た。
そこに立っていたのは、強靭な体躯をしているダノンゾルデよりも一回り大きくした感じの、とてつもなく大きな様々な色をした大剣6本持っている魔族であった。
しかも、その魔族は手が6本あり、それぞれが大剣に手を添えられていた。
また、その魔族の表情はとてもイカツイと言ってもおかしくないほどであり、ターダノはその魔族を見るだけで逃げ出したい気持ちにかられた。
「ねぇ、お父さん。帰っても良い?」
とても良い笑顔でダノンゾルデに尋ねたが
「だ・め・だ・ぞ」
と、とても良い笑顔で返されてしまった。
「ダノンゾルデ、そこのガキか、わしに鍛えて欲しいと言うのは。」
「そうです、魔王様。いえ、前魔王様と読んだ方がよろしいですかね。」
(前魔王様ぁ!?)
ターダノは叫んでしまいそうになったが、寸前で踏みとどまった。
(てか、前魔王様に頼み込むとかお父さんってアホの子なの?
明らかに階級が上だし、そもそも僕が鍛えてもらうのは筋違いじゃない?
てか、前魔王様は息子とか娘とかの現在の魔王を鍛えてあげたほうがいいんじゃない?)
「いや、前魔王は現在の魔王に教えることはあまり良いとされておらん。
教え方によっては現魔王の個性なども失われてしまうと言うこともあるため、妻に任しており、現在わしはほとんど隠居状態である。まだ若いがな、わはは!」
(ぎゃあああああ、なんか記憶を読んできたんですけどぉおおおおおお)
「あ、ターダノ、前魔王は考えを読むぞ」
「それを早く教えてください!」
「わはは!ダノンゾルデ、そなたの息子は愉快よの!
気に入ったぞ!今日から訓練をつけてやる。」
「ありがとうございます、前魔王様」
「あ、あの・・・」
「どうした?もっとレベルの低いところからなんて適当な事を考えているようじゃが、そんな気はさらさらないぞ。
ただ、わしは基本的には成長を見るのが好きじゃからな。
超ターダノ特化の訓練であり教え方もそれに合わせるから大丈夫じゃ!安心せい!」
(また考えを読まれたぁ・・・)
「では、な。ダノンゾルデ、そろそろ連れていって良いかのぅ?」
「はい、大丈夫です。ターダノ頑張ってくるんだぞ!」
「え、頑張るって、どんな訓練か聞いてないんだけど!」
「やればわかる。ほら、行ってこい!」
「え、あああああぁぁああああああああぁあ」
ターダノは前魔王の手の一つに胴体を掴まれ、とてつもなく早いスピードで連れて行かれるのだった。
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