イケメンじゃなくても恋愛はできますか?
@sitaro1705
入学 ~イケメンだらけの教室へ~
恋愛はイケメンの特権なのだろうか——
桜は舞い散り、木に緑が見え始める良い季節となった今日、待ちに待った華原(はなはら)高校の入学式だ。
県内でも上位の学力を誇るこの高校は志望者数も多く、入学は容易なものではない。
俺——大河内拓三も、この厳しい受験を乗り切った内の一人だ。
受験期だというのに友達だの彼女だのと浮かれているやつらとは違って、勉強した甲斐があったと思う。
そんな俺だが、高校では一つの目標がある。
彼女をつくることだ。
俺は小学校、中学校と全く恋愛をしてこなかった。というか、恋愛感情が湧かなかったのだ(湧かれることもなかったが)。
だから、彼女をつくるといっても、どうすればいいか分からない。
じゃあ、なぜ彼女が欲しいのかって?
そんなの、ラブコメをみまくってキュンキュンしたからに決まっているだろう。
テレビでラーメンをみるとラーメンが食べたくなるように。ゲームの実況動画をみるとそのゲームがしたくなるように。
恋愛もののアニメやラノベを読むと恋愛をしたくなるのはなんら不思議なことではない。
恋愛といったらどんなイメージを持つだろうか。
イケメンと美女が結ばれて……というのが、世間一般での解釈であろう。
だが!俺は決してイケメンではない。
そもそもイケメンとはなんなのだろうか。
イケメン——容姿が優れている男性。いけてる男子(men)。
用は、他人よりカッコいい男だ。
では、他人とはだれのことだろうか。
そう!俺のようなイケメンとはいえない(決してブサイクなどではない)男のことだ。
つまり、ちょっと見てくれがいい男子がイケメンだの何だのとチヤホヤされているのは、我々ノーイケメンのおかげであるということだ。
さあ、世のイケメンどもよ。我らに感謝するのだ!!
……なんて言っているうちに入学式も終わりに差し掛かったようだ。
「……これにて、埼玉県立華原高校第七十四回入学式を閉式いたします」
そんな教頭の言葉で入学式は終了した。
ハゲ校長の長ったらしい挨拶のせいだケツが痛いが、やっと教室に行ける。
俺の教室はたしか1年3組だったな。
さあ、待ちに待った高校生活!一体どんなクラスメイトがいるのだろうか。
「……全員イケメンじゃねぇぇかあああぁぁぁあ!!!」
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