永遠の吹雪
「……なんでこんなことに……」
僕は今舞台に立ちスポットライトを浴びている。客席すら見えない状況でやることは一つだという。
笑いを取る。
単純至極。それゆえの不安である。
僕は今までに人を笑わせた経験など皆無だった。あることにはあるがそれは意図したものではなかった。
準備の時間も練習の時間も与えられずに気づけばここで人のためにネタを披露することになっているの。
すでに無言で立ち尽くしたまま時間が過ぎている。
何かやらなくては。そんな思いだけで何も思いつくことはない。
あ! あれだ。
「…………ステージ、ここは舞台。しかしステイ。何もない」
「…………」
反応はなかった。
ギャグにもなっていない言葉の羅列では人を笑顔にすることもできないのか。
「ああ、寒い。寒いよ……」
幕が下りるまで僕は一人で思いつく限りの笑い話をしたが、一人として笑い声をあげるものはいなかった。
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