第6話 チ○コ出撃


    【亀太郎ver】

 

 いや、マジパねぇわ。さっき屋上で昼寝してたらよぉ、なんか夢見たのよ。アレなんだっけ? 空から女の子が降ってきて、人がゴミみてぇでワロスするやつ?

 んな、都合よく女が降ってくるかよ。降ってきたら逆にこええよ、って思ってたのよ。

 そしたらまあ、ホントに降ってきて草。しかもすんげー可愛いのな、これがまた。なんか、葉月さんに似てんのよ。


 葉月さんってのは、俺の2コ上の先輩でよ、美人なんだけど、ちょっと怖さパねえんだわ。初めて葉月さんに会ったのは、忘れもしない、えーっといつだっけ?とにかく、もっとガキん時だよ。俺、こう見えて結構体弱かったからさ、じいちゃんに無理やり空手道場に入れられたの。そこに先にいたのがガキん時の葉月さんだよ。もうね、こいつ悪魔か?ってぐらいめちゃくちゃしごかれたわ。マジ殺されるって思ったから、道場半年で辞めたんだけどな。


 そっから何年後かに再会したのが、忘れもしない、どこだっけ?とにかく、どっかのバス停で何人かで並んでバス待ってたのよ。そこにいかにもな柄の悪いやつが割り込んできて、一番前にしれっと並んだのな。思わず

「てめえ、何割り込んでんだよ?後ろにならべや!」って頭ん中で叫んだんだけど、そいつ全然おカマい無しでタバコとか吹かしてやがんの。

 そん時だよ、突然ソイツがぶっ飛んだの。何が起きたって、俺は見たありのままを言うぜ?セーラー服の女の子がいきなり横から飛び蹴りかましたんだよ。


 いやもうね、あんなパねえセーラー服のライダーキック、初めて見たぜ?スカート捲れてよ、ムチっとした太股ばっちり拝ませてもらったわ。ホント見事な太股でよ、ありゃ神だね、神。何がすごいって、ギリギリ見えないトコがいいんだよ。アレ、完全に捲れてたら、ダメなんよな。見えそーで見えんから神なんだわ。


 まぁ、そん時だな、俺、この人に一生ついていこと思ったの。

 俺、勇気出してさ、悪者蹴り飛ばして腕組んで仁王立ちしてるその人に声掛けたの。そしたらその人さ、

「後よろしく」

 つってダッシュで逃げてった訳よ。唖然としてたら男が覚醒してな、なんでか俺、そいつにぼこぼこにされたんだわ。

 そん時思ったね。あの人にはもう一生関わらないでおこう、って。

 それが葉月さんって女な。


 ん?なんで葉月さんの話してんだっけ?


………………


 あぁそーだ、落ちてきた女の子の話な。

 その女の子がよ、めっちゃ可愛いんだけど、どっか葉月さんに似てんのよ。

 顔立ちっつーか、雰囲気っつーか、葉月さんをちょっと小さくして、優しくした感じ? 葉月さんに妹がいたらこんな感じじゃね?って思ったね。

 ん?、そーいや、水希にも似てたな。ちょっと頭悪い、葉月さんの弟のな。

 アイツも頭は悪いけど、可愛い顔してるもんな。いやいや、弟なんかどーでもいいわ。


 あの葉月さんの親戚の子、俺が貰ってやるぜ、うん、決めた。

 あ、やべぇ、名前聞くの忘れたわ。次会ったら聞かねーと。そんで今度は絶対逃げられねぇよーにしないとな。しかし、あの子、1階下に飛び降りるとか、運動神経パねぇな。こりゃ、助っ人がいるかもな。

 いざとなったら、あいつらに頼むか。


なんせ俺には切り札が二枚あるからなwww









   【水希ver】




「貴女、やっぱり水希くんだったのね?」



 うわぉ、小野さんにめっちゃ見られてる。ってか、普通バレる?あり得ないでしょ?性別が変わっちゃってるんだよ?


「ねぇ、なんでわかったの?」


「うーん、何となくかなぁ?」

 と、小野さんは首を傾げてる。


「でもさ、あり得ないでしょ?男だった僕が今、完全に女の子なんだよ?」


「そうよねぇ。不思議よね。水でも被ったの?」


「ら○まじゃないよ。あれ、ギャグマンガじゃん?」

 まあ、チ○コが喋ってる方が遥かにギャグだけど。


「じゃあ、謎の生命体と契約して魔法少女になったとか?」


「うーん、なんかビミョーに近い気がするけど、魔法なんて使えないよ」

 謎の生命体ってゆーか、僕のチ○コなんだけどさ。


「ホントに女の子の体なの?お化粧とかじゃなくて?」

 小野さんが綺麗な顔をぐっと近付けてくる。近い、近いよ。息が掛かる距離じゃん。


「ホントだよ。おっぱい触ってみる?」

 

          ……モミモミモミモミ


「大っきいねー。私よりあるよ?」


 いや、ホントに揉むんかい。つか、結構な回数モミモミしたぞ?


「えっ、小野さんも結構あるじゃん?」


「貴女ほどじゃないよ。試しに触ってみる?」


「……いや、あの、ちょっとタンマ」


 僕は小野さんと少し距離をとって、素早く自分の胸元にささやいた。


『またデカくなってるだろ⁉ポコさん(仮)バレるから胸から移動してよ⁉』


『いや、今はちょっと……前かがみになってまして』


『なんでチ○コが前かがみになるんだよ⁉』

 普通、反るでしょ?反り返るでしょ?


『いやまぁ、いろいろとあるんですよ』

 ないよ!!


「ねぇ、さっきから何、こそこそしてるの?」

  

 ほら、あきらかに怪しまれてるじゃん?女の子に変わったのはバレても、流石に喋るち○こは、紹介できないよ。


『彼女なら、ワタシのこの身ごと受け入れてくれそうですけどねぇ?』

            

『言い方!ホントに受け入れそーだから怖いんだよっ』

  つか、固くなってる先っぽがおっぱいに当たって痛いんだよ。


 ん?なんか肩にのった。って、小野さん、僕の肩に可愛らしいアゴのっけてきたよ⁉


「ちょっ、何してんの⁉」


「それコッチのセリフ。誰と話してるの?」

 うわお、耳元で囁かないでよ。息が耳にかかって、背中がゾクゾクってなったよ。


「独り言だから。気にしないで」


「ふうん?」

 小野さんは妖艶に笑いながら、ちょっとだけ離れてくれた。

 ああ、なんとなくわかったよ。このミステリアス美少女は、いわゆる小悪魔ってヤツだ、たぶん。



「小野さんって、ホント変わってるよね」


「君に言われたくないけど?」

 あ、ごもっともです。


「ってかさあ、受け入れ方がハンパないよね。普通、もっとビックリするとか、ドン引きするとか、じゃない?」


「ドン引きして欲しいの?」

 引き込まれそーな瞳で見つめてくる小野さん。

 それだよ、それ。じーっと見つめて相手がたじろぐ反応楽しんでる感じ。


「小野さんってSだよね?」


「水希くんはMかな?」


『ワタシ、Lですが』

 ゴムのサイズの話じゃないわ。つか何、見栄はってんだよ?



「私と水希くんね、たぶん似てるんだよ。変な所が」


 変な所?そりゃ僕も相当変だけどさ、小野さんとは方向性全然違うんじゃない?


「私ね、ミステリーが好きなの」


「へ?あ、そーなの?」

 なんかいきなりぶっ込んできたぞ?


「特にどんでん返しがあるヤツ。水希くん、叙述トリックって知ってる?」


「いや、知らないけど」


「叙述トリックっていうのは、読者を勘違いさせるトリックの事なの」


「ん〜イマイチピンとこない」


「例えば、今私達がしてる会話を文章にしてみると、男の子と女の子が会話してるように思わない?君は男の子みたいな口調だし、自分の事も僕って呼ぶでしょ?」


「あ〜、確かにそう思うかも」

 

「でも実際は女の子二人が会話してる訳じゃない?」


「まあ、見た目はね」

 

「こんな感じで読者を勘違いに導く事を叙述トリックって言うの」


「へぇ、なるほど」


「でもね、本物のミステリーだとまだその先があるの」

 そう言って、また僕の目をがっつり覗き込む彼女。


「文章だと君は男の子、でも今の見た目は女の子、さらにホントは男の子。ややこしいよね?じゃあ私は?文章だと女の子、見た目も女の子、でもホントは……」

 妖艶に微笑みながら、僕から目を離さない。


「い、いや、小野さんはどう見ても女じゃん?」

 

「ホントにそうかな?違うかもよ?確認してみる?」

 舌をヌッと出して、上唇をそっと舐める小野さん。


「か、確認ってどーやって?」


「さっき私も君を確認したでしょ?同じ事したら?」


 同じって、おっぱい揉めって事だよね?えっ、えっ僕、何回揉まれたっけ?


『20回ですね』

 数えてたのかよ!つか、なんでわかったの?以心伝心?


「しないの?」

 なんか挑発してるみたいにやたら煽ってくるんだけど?


「いいの?」

『さあ早く!』

 いや、アンタは黙っててよ。


「どうぞ?」

 胸をぐっと突き出してくる小野さん。


「それじゃ、失礼します」

         モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ……


「どう?」


「い、いや、ブラと制服越しだと、イマイチ感覚が……」


「あ、ゴメン。取った方がいい?」


『是非』

 だからアンタは黙ってて。


「いや、充分わかったから。やっぱり、小野さん女の子じゃん?」


「ふふ、そーよね」

 え、僕からかわれただけ?ちょっとだけ小野さんの顔、赤くなってるけど。



「もうすぐお昼休み終わるよ?水希くん、まだその格好のままなの?」

 うわ、もうそんな時間か。でもまだ賢者タイムは終わってないし。


「ちょっと事情があってさ、まだ男に戻れないんだよね」


「まだって事は、いずれは男に戻れるの?」


「そーだよ」


「……水希くんってさ、自由に男になったり、女になったりできるの?」


「そんなに自由でもないけど、一応、替われるみたい」


「水希くんってさ、……変態だね」


 うーん、反論できないや。でも、小野さん、めっちゃ笑顔なんだよね。


「午後からの授業どうするの?」


「小野さん、悪いけどさ、早退するって先生に伝えといてくれない?」


「うん、いいけど。帰るの?」


「どっかで時間つぶして、その後考える」


「ここだとたぶん、先生が見回りに来るよ。移動した方がいいかも」

 そう言いつつ、小野さんは立ち上がった。


「じゃそろそろ行くね。あと、私、月水金の昼休みはここの当番だから。よかったらまた来て?一緒にお弁当たべよ?」


「え、いいの?じゃ、また来るよ」

 また小野さんのお弁当が食べれるなんて、ラッキー。めちゃ嬉しい。


『そのうち本人もいただいたりして……』

 ホント、一言多いよね、ポコさん(仮)は。


 



 小野さん見送って、僕も廊下に出たけどこのあとどうしよ?

 この辺ウロウロしてたら、絶対先生達に見つかるだろーし。

 

 って考えてたら、またお腹がぐ〜っと鳴った。

 小野さんのお弁当半分貰ったけど、正直まだ足りないなあ。


「一旦、コンビニ行こうかなぁ」

『そうですね』

ポコさん(仮)が胸の谷間からぬっと顔を出した。なんか、すんごい湯気出てない?血管浮いてるしさ?


『いや〜、湯勃っちゃいましたよ』


 胸の間に挟まってるその姿 

「……ホットドッグみたい」


「ホットチ○コですね」


 やめてよ。食べられなくなるじゃん。







 

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