第2話 ポコ○ン破壊命令
壁に激突したポコさん(仮)はふやけたチ○コの様にだら~んとのびていた。
「ひっでぇー、ねぇちゃん。ポコさん(仮)、全身打撲だよ。骨折れたんじゃね?」
いやいや、あんたが「ちょんまげ」とか言ってあたしの頭にチ○コ乗せるからでしょうが?今時、お笑い芸人でもやらないよ?
「てかさぁ、チ○コに骨はないからね?」
「えっ、チ○コって骨ないの?」
うーん、その可愛らしい顔でチ○コ連呼しないで欲しい。ちょっと萌えるけど。
「ないよ」
「じゃあ、なんであんなに固くなるの?」
「それは、海綿体ってのがあってだね」
「贈る…」
「海援隊じゃないからね?」
食い気味にボケを潰してやった。もっともコイツの場合、ボケ<天然なんだけど。
水希がのびてるポコさん(仮)をつまみ上げる。てか、いい加減何か着て欲しいんだけど。裸にバスタオル巻いただけだから、しゃがむ度にお尻やらナニやら丸見えで心臓に悪い。
ここにきてあたしの百合属性、数段レベルアップを果たしたようです。
「そっかぁ、骨ないのか」
手に乗せたポコさん(仮)を優しく撫でる水希。
小動物を慈しむ天使のようなその表情は神々しさをも感じるけど、撫でてるのは元自分のチ○コだからね?
「ねぇ水希、ソレさあ、どっから来たんだろうね?」
「え?ここからだよ?」
いや、天使の顔で自分の股間を指差すの止めようよ?頼むから。
「知っとるわ。そうじゃなくてさ、どう考えても地球産じゃないでしょ?普通のチ○コは喋らないし、ポコポコ外れたりしないからね?」
「そうか……。もしかして僕って地球侵略の為に送り込まれてきた宇宙人なのかな?」
今にも自分が乗ってきたカプセル型宇宙船を探しに行きそうな目をしながら言ってるけど、何でもありの某戦闘民族だって、シッポは取れても流石にチ○コは取れないと思うぞ、妹よ?
「あんたは何の変哲もない地球人でしょうが?おかしいのはそいつだよ、そいつ。多分、寄生生物かなんかなんだよ」
ぶっちゃけ水希は元々女で、コイツに寄生されて男の姿になってただけなんじゃないかとマジで思う。いや、思いたい。なんかあたしの願望入っちゃってるけど。
「あー、寄○獣みたいな?つか、チ○コだから寄性獣だ!」
いや、なんか上手い事言ったみたいなドヤ顔するなよ。あんまり上手くないよ。それなら寄精獣でもいいじゃん?ってコレも上手くないな。
「武器みたいに変形すんのかな?あ、もしかして他のチ○コも襲ってくる?」
「ちょっとー、怖い事言わないでよ!そのへんのお兄さんのチ○コが鋭利な刃物とかになって襲ってきたら、一生モンのトラウマだわ」
いくらなんでもチ○コにバッサバッサ斬られたくないよね?百人斬りとかまた意味が違うから。
「でもさ、他にもいるのはいるかもね?チ○コ星人」
おバカにしては神妙な顔して言ってるけど、そのネーミングはないだろ?
「……いますよ?」
「うわぉ、ビックリした。ポコさん(仮)気がついたんだ?良かったww」
見ると、ポコさん(仮)が水希の手の上でムクリと起き上がるところだった。
「あれ?あんた、ちょっと大きくなってない?」
明らかにさっきより膨張してるんだけど?全体的に。ってか、二本足で立ってるし。
「ああ、今起きましたからね」
「朝立ちかよ」
水希が聞く。
「ねぇ、ポコさん(仮)。本当に仲間がいるの?」
「さっきネットでそれらしき者を発見しました」とチ○コが言う。
「ああ、あんたスマホ見てたね。それって有名人?」
「ちょっと待ってくださいね?」
ポコさん(仮)はそう言うと、水希の手の上から器用にジャンプし、机の上に見事に着地を決めた。
「おっすげぇ、ポコさん(仮)ww」
「飛んだねぇ」
中身じゃなくてチ○コ本体が飛んだの初めて見たよ。当たり前だけど。その内、皮広げてムササビみたいに滑空したりしないよね?
ポコさん(仮)は机の上にあった水希のスマホを慣れた様子で操作し始めた。
なんだろ?このシュールな光景。スマホを操作するチ○コに、それを見てるあたしら。
「あ、コレです」
そう言いながら、ポコさん(仮)は器用にスマホをおっ立てて見せてくれた。
それを覗き込むあたしら二人。
「「え、この人?」」
水希とハモって驚いてしまった。
そこに映っていたのは、帯の情報番組やってる超有名司会者だったからだ。
「この人のチ○コもしゃべるの?」
と、水希が聞く。
「いえ、この人の場合は髪全体がそうですね」
「えーっ普通にヅラじゃなかったんだー?」
「しゃべんの?ヅラが?」
こりゃビックリだわ。……って思ったけどチ○コがしゃべる方がインパクトでかくね?
「ただ、まだ覚醒はしてないようですね」
「そーなんだ?本番中に覚醒したら面白いよね。バズるんじゃない?」
「その前に打ち切りになるわ」
パニックにはならないかな?たちの悪いイタズラで済まされそう。今の時代、ネットで拡散すればするほど信憑性が薄まりそうだもの。
「ってか水希さぁ、そろそろ服着なよ?目のやり場に困るんだけど」
「あ、うん。でも僕の服、入んないんだよね。さっき着ようとしたんだけどさ、胸とお尻が引っ掛かっちゃって」
なるほど、背丈は変わってないけど、胸と腰まわりが明らかに肉感的になってるし。
つか弟の分際で姉よりおっぱいデカイとかどういう了見だよ?
「そうねぇ。じゃあ、ちょっと着れそうな服見てくるわ」
とりあえずあたしの服の中から探してみる。
うーん、デニムのショートパンツと上はゆったり目のTシャツでいいかな。ブラは悲しいかなあたしのじゃ合わないから、かーさんの借りよう。てな感じで適当にチョイスした物を持ってきた。
「ほら、これ着てみなさい」
「ええ、僕ブラジャーなんかした事ないよ?」
かーさんの黒いブラをぶらぶらさせながら困惑してる水希。全然関係ないけど、最近流行りの黒いマスクがブラに見えるのはあたしだけだろーか?
「したことあったら逆に怖いわ。ちょっと貸してみ?付けたげるから」
「ん」
素直に背中を見せてバスタオルを外す水希。なめらかな背中からの腰のくびれと、きゅっと上がったお尻のラインがめっちゃエロい。
「ぐはっ」
ちょっとくらっときた。ヤバい。背中すりすりしたい。お尻なでなでしたい。そんな誘惑に耐えつつ、ブラを合わせる。駄目だ、布越しのおっぱいの感触だけでご飯三杯くらいいけそう。いや当然比喩ですよ?
馬鹿な妄想と戦いながら、なんとか背中のホックを止める事ができた。
「ふー、水希、どんな感じ?」
「ん、良くわかんないけど、しっかり包まれてる感じかなぁ?」
「ゆるくなかったら大丈夫だよ。下はかーさんのじゃ大きそうだから、あたしのヤツね」
「え、ねぇちゃん、こんなエロいパンツ履いてんの?」
「ちょっとー、まじまじ見ないでよ?たまーに履くだけだし」
「うーん、ねぇちゃんのパンツ履くってなんか微妙な気分だなぁ」
おいおい昔、誰のだかわかんないパンツ頭にかぶって遊んでたお前が言うか?
「いいから履け」
「はいはい……と。ねえねえポコさん(仮)どう?」
上下黒の下着を身に付けた水希が、ポコさん(仮)に向かってポーズをきめる。
どうでもいいけど、チ○コに感想求めるなよ。
「ナイスです。ワタシ鼻血出そうです」
いや、あんたが出すのは白い方だろ?てか鼻あったんだ?
自分のチ○コに褒められて気を良くしたのか、鼻歌交じりでショートパンツとTシャツ着る水希。ダボっとしたTシャツでショートパンツがほぼ隠れて、下はなにも履いてないように見える。うう、この破壊力、雪崩れ式のブレンバスター食らったみたいだ。
「ちょっとねぇちゃん、ナニ連写してんのさ?」
「え?」
気がついたらスマホ持って夢中で連写してた。これは流石に自分でもドン引きだわ。水希はともかくポコさん(仮)にまでジト目で見られて、マジ死にたい。
「い、いや、かーさんに送ってあげようと思ってさ。一応、水希が女の子になりましたって報告しないとまずいじゃん?」咄嗟の誤魔化しにしてはあたしナイス。
「かーさんに送るの?なら一緒に撮ろうよ」
あっさり騙されるコイツってばホント可愛い。水希が側に来て、ぐっとちっちゃな顔を寄せてきた。うわっ、まつ毛ながっ。
「ねぇちゃん」
「え?」
「え、じゃなくて、レンズの方見なよ。なんでこっち見てんのさ?」
「あ、ごめん」
ヤバい、至近距離過ぎて見とれちゃったよ。あわててスマホを構えなおす。
んん?ちょっと違和感なかったか?
チラッと横目で確認する。あ、やっぱり。
「だからぁ、チ○コを頭に乗せるなって」
水希は自分の頭に自分のチ○コを乗せていた。
「ええ、自分の頭だからいいじゃん。新しい家族だよ?」
家族?チ○コが?
コイツは完全に自分のチ○コをペットかなんかだと思ってるな。
「とにかく頭は止めようよ?流石にかーさんもビックリするだろうしさ」
「うーん、……あっそうだ、ポコさん(仮)、平べったくなれる?」
「二次元まではムリですけど、多少の厚みなら行けますが」
「じゃあさ。それでシャツに貼り付いてみ……」
「止めなさい。ど根性チ○コかよ?ホント、怒られるよ?」
「ええー、ナイスだと思ったのにぃ」
「なんでいちいちボケよーとすんのよ?普通に手に乗せればいいでしょ?見ようによってはハムスターに見えない事もないんだし」
「コス○コハム太○?」
「とっとこだよ。コストコ走ってどーすんのよ?」
「仕方ないなぁ。じゃあ手の上で余興するよ」
「なんか手のひらが楽しそうだけど、妥協な?」
これ計算してボケてたらまだいいんだけどね。コイツは素でコレだから始末が悪い。
そんなこんなで、やっとことっとこ撮ったけどメッセージどうしよ?
「女の子になりました、でいいんじゃないの?」
「だね。チ○コがどうこうって説明する自信もないしね」
結局、「水希が可愛い女の子になりました」ってメッセージと写真を送っといた。さて、かーさんはどんな反応するだろう?
「多分、笑うだけだと思う」 水希が言う。
「あたしもそう思うよ」
ウチのかーさんは超ボジティブ人間なんだよね。なんでも笑って受け止めちゃう、ちょっと信じられない精神力の持ち主だ。まあなんせこのあたしらの母親だもん。かなり変人なのは間違いない。
「とりあえずかーさんは返事待ちだね。後、問題なのは……。
アンタ、明日から学校どうする?」
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