40日目 学校の風物詩2

いま!ここに校長教頭チキチキティーバトル開催!いざ尋常に勝負。


昼休み、要は廊下をはしっていた。部室にむかっていた。


すると、廊下を歩いていた配藤先生に会い、「廊下をはしるな」と言われた。



それでも急いでいるのか、はしって部室の扉をガラッと力強く開けた。



〈椿〉ん? 要か、どした? そんな慌てて



〈要〉いま! 校長と教頭が職員室でバトルだって!



〈椿〉なに!? 今度はなんの戦いだよ、また俺たち巻き込まれるのか



〈要〉いや、今回は先生たちだけだって。校長が毎回生徒を巻き込むのはよくないって



〈椿〉よく言えるよな、てかよくそんな情報知ってるよな



〈要〉ま、まあね。それはどうでもいいだろ! 見に行こうぜ!



〈椿〉そうだな、ひまだし



2人は職員室に向かい校長と教頭のバトルを見に行くことにした。



職員室では既に先生たちが集まっている。昼休みなので、職員室で食べる人も多い。あの先生だけは自分のデスクで寝ていた。



〈校長〉イェイベイビー! 校長教頭チキチキティーバドルの始まりだぜい!!



〈大戸先生〉うわ、すげえテンション高い



〈配藤先生〉おうい!イェイベイビー!



〈辻村先生〉やっべ、今日お弁当にしちゃったな



〈教頭〉お集まり頂きありがとうございます



〈職員室内〉集まってねえよ、偶然だよ



〈校長〉さて、今日の議題は紅茶です。ミルクティーとレモンティーどちらが美味いのか、それを決めるバトルです。このバカはミルクティー、私はレモンティーがすきです。決め方は多数決! イエイ!


〈教頭〉なお、今回は先生だけのバトルとなります



〈安西先生〉かるいなー、ほんと



〈大戸先生〉まあでも俺はミルクティー派だな!



〈千代先生〉あら! 私はレモンティー派よ



〈大戸先生〉まさか、ここで決別するとはな


〈配藤〉私、アップルティー!!



〈教頭〉それリストにないから



椿と要はそれを扉の隙間から見ていた。職員室に入るには扉が3つある。1つは保健室と職員室が繋がっている扉。2つは保健室から徒歩1、2分のところにある手前の扉、そして今椿と要が覗いている靴箱から近い扉がある。



外に出ていた保健師の園部先生が2つめの扉から職員室に入った。


〈要〉あ、そのちゃん先生だ



〈園部〉は!?これは? 逃げよ!



察したのか、すぐさま保健室に入った。自分の檻に帰ってようだ。



〈要〉あらら、そうなるよね



職員室では、何故か盛り上がっていた。



〈安倍先生〉おお!!俺はミルクティーだ!



〈校長〉なんかミルクティー多いな……



〈津島先生〉おれもミルクティーだな、あの濃厚さがいいんだ



〈辻村先生〉何言ってるの!レモンティーはフルーティーで飲みすいのよ



〈渡部先生〉そうだそうだ!



ちなみにこの渡部先生は地理教師のほうの渡部先生です。



〈横山先生〉私ミルクティー!



〈安西先生〉あなたってミルクティーばかり飲んでみるわよね



〈横山先生〉すきだからいいじゃん!



〈校長〉ふふふ、これが世に聞くチキチキバトル、おつですな



〈教頭〉さーて!どちらが勝つのか……



と、そこで寝ていた国分先生が起きた。バンッと机を叩き身体を起こした。顔を上げると何故だが機嫌悪そうな顔をしているのだ。



〈教頭〉ん?



〈国分先生〉うるさい……



と、フクロウが苛立ち鳴いているかのような顔だった。



あたりはシーンとしていた。



すると国分先生は立ちあがり持参したミルクティーとレモンティーを取りだした。



〈校長〉なぬ!



国分先生はミルクティーもレモンティーも一緒に飲んだ。



〈国分先生〉うまい!正直どっちでもいい、どっちもうまいでいいじゃん



職員室はもう誰も騒ぐものはいなくなった。この国分先生の威圧は完璧。これには校長も教頭も口が出せなかった。


今回のバトルは不完全燃焼として終わったが、やはり分かりきった事だった。



国分先生、恐るべし。




ー 40日目 学校の風物詩2 ー つづく。





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谷武高校の先生たちの生活 Kohr.435円 @katumata

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