13日目 イタリア

昼休み・職員室にて


大戸先生は昼を食べおわり、職員室の自分のデスクで、小説を読んでいた。実は、大戸先生は読者が趣味だ。


〈大戸先生〉やはり面白いな


と、そこに隣のデスクの新任教師の千代先生が話しかけてきた。


〈千代先生〉あの、なにを読んでいるのですか?


〈大戸先生〉ん?あ、これは千代先生。小説です。実は小説が趣味でね


〈千代先生〉そうなんですね!実は私も小説すきです


〈大戸先生〉おっ!では今自分が読んでるこの「1日3時間しか働かない国」とかどうですか?


〈千代先生〉聴いたことないですね


〈大戸先生〉そうですか、面白いですよ。イタリアの小説家・シルヴァーノ・アゴスティさんの作品です


〈千代先生〉へ~、イタリアの小説って初めてです!いいんですか?


〈大戸先生〉いいですよ、何回も読んでるので、時間あるときに読んでみてください


〈千代先生〉あ、ありがとうございます。そういえば、イタリアといえば、最近コルナウイルスで大変ですね


〈大戸先生〉はい。そうですね。ぼくはイタリアが好きで、大学の二外でイタリア語を選びました。

楽しかったです


〈千代先生〉そうなんですか!?では、イタリア語とは珍しいですね。イタリア語ペラペラですか?


〈大戸先生〉いや~、少しだけですよ!挨拶ぐらいです。ははは


〈千代先生〉へ~!私は、ドイツ語を選びました。ドイツが好きだったので


〈大戸先生〉そうなんですね!難しいですよね!?ドイツ語


〈千代先生〉はい、難しいです。あまり覚えられなかったです


〈大戸先生〉イタリアは素晴らしいところですよ。ローマ、ルッカ、ミラノ。面白い街です。世界遺産も世界一ですし、ぼくはベネチア北東部に位置する小さな島のブラーノ島が好きなので、ぜひ一度行ってみたいです


大戸先生は、そう言いながら、窓の差し込む光を少し悲しげな顔で黄昏ていた。


そんな顔を千代先生は、優しく見ていた。


ー 13 イタリア ー おわり

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