14日目 ありがとう

1-A教室内にて


3時限目、今日は英語の授業だ。先生は辻村先生。


〈辻村先生〉はーい、ではこの文法は、こうなります!ここはテストにでるから、覚えといてね


すると、授業途中で、おならをした人がいた。


瞬く間に匂いは、広がり、みんなはパニックになった。


〈辻村先生〉ちょっと!みんな!しずかに!


〈生徒〉だれだよ!


と、パニック状態の中で椿の一つ前の席の女の子が恥ずかしそうに、もじもじさせていた。そして、少しずつ、手をあげようとしていた。


椿はそれをみて、なにも考えずに手をあげた。


〈椿〉はい!おれでした!


〈要〉なんや!おまえか!


〈椿〉いやー!ごめんごめん!実ははらの調子が良くなくてな!


と、笑っていた。みんなも笑っていた。どうやら椿が雰囲気を変えたようだ。


そして、授業が進み、授業がおわり、椿は昼休みに部室に行こうとしていた。


〈佐久間〉あの!椿くん!ちょっといい?


〈椿〉ん?いいぜ


と、近くの武道場に向かった。


そして、武道場で話した。


〈椿〉どうした?


この女性は、佐久間 華和(さくま かお)、椿と同じクラスだ。彼女は、数年ある事が起こって、人と接触したり、遊んだりすることを避けてきた。今も一人だった。それは佐久間を数年悩ませてきた、過敏性腸症候群という病気だ。腸にとくに異常ないのにおならがでてしまう病気だ。

今日はたまたま出てしまった。


〈佐久間〉あの、さっきなんだけど、


〈椿〉あー、あれか?それがどうした?


〈佐久間〉えっと、ありがとう...


〈椿〉ん?なんでだよ?別にいいって。同じクラスの仲間だろ?もう少し自分をさらけ出してもいいんじゃないか?きっとわかってくれるやつは絶対いるよ


〈佐久間〉そうかな?


〈椿〉うん、そうだよ。それに本気で悩んでるなら!いつでも声かけろよ。いつも部室にいるから


〈佐久間〉ありがとう!


その場面をたまたま辻村先生は裏で見てしまった。


辻村先生は、なぜか、涙がでた。


ー 14 ありがとう ー おわり

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