11日目 気づいてよ!?

保健室。


〈園部先生〉はーい、また具合悪くなったらきてね!


園部先生は美女で胸もデカイから生徒からも先生からも人気がある。そのため、仮病を使って保健室にくる生徒も多々いるようだ。本人は凄く心配性で優しいため、全く仮病には気付かない。


そんな、園部先生は今日はいつもと違うところがある。時計だ。最近、時計ショップでイタリアのブランドのエンポリオ・アルマーニの女性用腕時計を買ったので、今日はそれを着けてきた。カラーはローズゴールドで、スチールブレスレットウォッチと言うかわいい、レディース時計だ。


実はそのことに、悩んでいる。保健室には生徒も先生も何人もくるけど、誰も、「あれ?時計、買えましたか?」とか言ってこない。5万もしたのに。こんな可愛いのに、気づいてもらえないなんて。寂しい。なんて園部先生はため息ついていた。


そこに、要と椿とスカイラーがやってくる。


〈要〉きよちゃんきたで!


〈園部先生〉ちょっ!こら!先生だってば!


〈椿〉相変わらずですね


〈スカイラー〉すみません、さっき、体育の持久走で転んでしまって。ちょうど授業も終わったので、来ました


〈園部先生〉どれどれ?あ、ここね。そうね、そこまで血は出てないようで安心したわ。念のため水で洗って消毒して、絆創膏貼りましょうか


〈スカイラー〉お願いします(うわっ!ちかいちかい!顔ちかい!ていうか、おっぱい!大きい!)


〈園部先生〉で?君たちはどうしたの?


〈椿〉付き添いです!


〈要〉園部先生のところに行きたかったです!


〈園部先生〉正直に言うんじゃありません!そこは嘘をつきなさい!いや!嘘はだめなんだけど!


〈椿〉はーい


〈要〉はーい


すると、パッと園部先生は時計で時間をみた、そして、ちらっと椿たちのほうをみた。


〈園部先生〉気付かないわね


〈椿〉へ?なにが?


〈スカイラー〉先生、もしかして


すると、園部先生は笑顔になった。


〈スカイラー〉やっぱり、そうなんですか!実はレズだったんですね!


〈園部先生〉は?


〈要〉いや、ただの天然でオープンなだけやろ?


〈園部先生〉うるさい!レズじゃないわよ!


〈スカイラー〉え?でも顔近かったし


〈園部先生〉いや、ごめんね誤解させて


〈要〉パーソナルスペースが狭いだけやろ?


〈椿〉いやいや!あれが園部先生の普通(キチガイ)なんだって!


〈スカイラー〉言いたい放題ね、あんたら


〈要〉お前もな


〈園部先生〉いい加減にして!


〈要〉園部先生がおこった...冗談だよ、エイプリルフール、なんちって、ははは


〈園部先生〉ふんっ!

と、先生ほほっぺたを膨らませて、そっぽを向いた。


〈園部先生〉もういいわ。私が気づいてほしかったのは、時計よ!


〈椿〉あー、時計かー


〈園部先生〉なに!?その反応!薄っ!


〈要〉いや、だって、時計でしょ?


〈スカイラー〉そうでもないわよ、時計には古い歴史があるから。そして、先生が着けてるのはイタリアの時計、エンポリオ・アルマーニよ。高価よ、有名な時計ブランドね


〈園部先生〉あら、詳しいわね?最初からこっちの話してくれるとありがたいわ


〈スカイラー〉え?いや、だって!今日はエイプリルフールだし!ちょっとボケようかと!(本当にレズだったなんて思ってた自分が恥ずかしくて言えない)


〈園部先生〉そこは!エイプリルフールじゃなくていいから!


そういうと、園部先生は椅子に座った。


〈園部先生〉もう、スカイラーちゃんの手当てもすんだから、次の授業いきなさい!あと、スカイラーちゃんは、また何かあったら保健室きてね


〈椿・要〉へーい


〈スカイラー〉ありがとうございました


そういうと、三人は保健室から出た。


園部先生は思った。手のかかる子たちね、と。


ー 11 気づいてよ!? ー おわり

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