暗闇の魔法使い

ユグラシド

プロローグ

 静かな夜の街。


「なぁ、いつまでこんな事が続くんだ?」


 街を見渡せるタワーの最上階に人影が一つあった。


「さぁ、それはいつまでだろうな。この世の理、真理に近づいた時、いや、これはまた、次の機会にしておこう……」


 その人影は、誰かと話を終えると、姿を消した。




 夜に舞うカラスは、誰からも見つからず気づいた時には後ろにいる。


 振り下ろされる刃は、重く、強く、痛みを増す。




 もし、誰かがその真理に近づいた時————


 世界は————


 大いに————


 動き出す————

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