幕間【勇者スリムの華麗なる金遣い】

カリーの街でも有数の高級ホテルのスイートルームに鎮座するスリム達

クラウン公国の勇者達、 その前に呼び出された、 山田、 福島、 京子。


「山田、 福島、 京子、 早速だが解雇だ」

「「「うわぁ・・・」」」


スリムからの宣告にがっくりする山田、 福島、 京子。


「一応理由をお伺いしても?」

「それはロダンの仲間を裏切ったからだ、 彼に気に入られたいから君達を解雇する」

「やっぱりか・・・」


項垂れる山田。


「とは言え、 私も鬼じゃないし面倒は嫌いだ

君達からの依願退職と言う事にして欲しい」

「そんな義理は無い、 平民が何時でも貴族の思い通りに動くと思うな」

「何だと!?」


カヌーが今にも斬りかかりそうになる。


「面倒は嫌いだと言っただろうカヌー、 無論ただじゃないよ、 ほら」


どさっ、 と金貨の袋を投げ渡すスリム。


「解雇手当と今日までの給料、 とりあえず300万は入っている」

「「「300!?」」」


眼の色が変わる三人。


「え、 こ、 公爵? 金を払うのですか?」

「私の家は金持ちだからこの程度何でもないさ

手間を省けられるならば金は使うべきだよ、 さぁその金を受け取ってさっさと消えてくれ」

「わ、 分かった」


山田は袋を拾ってすぐさま部屋を後にした。


「私達にも分けろー!!」


京子と福島を後を追う。


「やれやれ、 300万ぽっちで一喜一憂とは小さいね」


やれやれと言った様子のスリム。


「でもぽんとそんな大金を出せるとは羨ましいですよ

私は貴族と言っても木っ端貴族ですし」

「公爵の私と同等の金を使うのが変だよ、 スマート」

「はい」


スリムの自分の側近、 銀行家のスマートに指示を出す。


「とりあえず10億用意してくれ」

「「「「「10億!?」」」」」


【レストラン・スリム】以外の人々は仰天する。


「数日で用意出来ますよ」

「頼むぞ」


スマートはぽよんぽよんと移動を始めた。


「10億って・・・用意出来るのですか?」

「彼はクラ銀(クラウン公国銀行)の頭取も務めている

10億位訳無いさ、 とりあえず10億でロダンが買収出来るかだね」

「資金力凄いと思っていましたが・・・桁外れですな」


カヌーが褒めちぎる。


「まぁこのホテルも改装にお金がかかったからねぇ・・・」


扉に入れず扉を破壊して入ったので回想の費用も払っているのだ。


「ホテルの経営者と話し合ってこのホテルを買い取るつもりだ

とりあえずスイートは君達の分も取ったからゆっくりしていってよ」

「ありがとうございます」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る