第167話【Good timing】

「と言う訳でお前とのデートに来ていく服を買う為について来て欲しい」

「何言ってんだお前」


モルガナがロダンに意味の分からない要求をするとデッドが馬鹿にした様に言う。


「・・・・・えと・・・それは既にデートでは?」

「そうなのか・・・? デートの経験が無いから分からない」

「僕もデートの経験が無い・・・デッドは経験有る?」

「異性とか意識した事ないからなぁ、 経験無いな」

「経験有りそうな人とか誰か居ないかな・・・」

「難しいな・・・」

「・・・と言うかモルガナ

デートの経験が無いのにデートしてくれって言うのは可笑しくない?」

「お前との距離を縮めたいんだよ」


少し照れ臭そうに言うモルガナ。


「うーん・・・とりあえず如何する? 何かデートプランを練らないと・・・」

「そうだなぁ・・・こういうのは男がリードするのではないか?」

「僕は経験無いしちょっと・・・」


悩む二人。


「考えていても仕方ない、 こういう時は先人の知識を借りよう」

「先人の知識?」

「何かしら本にそう言う事が書いて有るかもしれない」

「本・・・デートプラン本?」


怪訝そうな顔をするモルガナ。


「そんな本が役に立つの?」

「少なくとも僕が立てたデートプランじゃないからと言い逃れは出来る」

「責任逃れか」

「いきなりデートはハードル高いんだよ・・・

友達みんなで遊びに行くとかすらやった事ないのに

デートて・・・」


頭を抱えるロダン。


「私はパーティの経験は有るが・・・遊びに行くとかは経験無いな・・・」

「僕達って如何しようも無い人間じゃないかな・・・」

「いや、 そんな事は無いだろう・・・と思いたい」


項垂れる二人。


「・・・経験豊富そうな奴居ないかな・・・」

「・・・・・パッと思いつく奴は居ないなぁ・・・」

「シエンさんとかモテそうな気がする、 丁寧だし美形だし」

「勇者の? まぁ都合良くシエンが来るとは思えないが・・・」


その時、 二人が居た部屋にこんこん、 とノックされる。


「ベルーズさん如何しました?」


ドアをノックするのはベルーズだけである。


「失礼します、 シエン様からお手紙が届いております」

「タイミングが良いなぁ・・・のぞき見されているのかな・・・」

「それは無いと思うが・・・」


手紙を受取り読むロダン。

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