第151話【Steak House】

【ステーキハウス】はジェスター教国でも指折りの鍛冶屋が有名な街である。

値は張るが優秀な武具を作る事が有名で鍛冶屋達は皆パワフルで力強く

野党や魔王の襲撃にも太刀打ち出来る程である。

またその名の通り、 鍛冶屋の圧倒的な火力に慣れた者達の中から

料理人が出る事もあり、 超火力で焼き上げるステーキが有名な街でもある。

そのステーキハウスに向かって馬車で移動するロダン一行。


「モルガナ様が来ないのが不思議ですけどね」


ベルーズが馬車で揺られながら話し始める。


「そうかな? 彼女は素手で戦うし寧ろ武器が有る方が弱くなるのじゃない?」

「いや防具でも着て居れば・・・」

「重くなるから嫌がりそうだけど・・・」

「人それぞれのスタイルが有るって事ね・・・

それで一つ疑問なんだけど良いかな? ベルーズ」

「何でしょうかお嬢様」

「ベルーズって武器何使うの?」


今まで戦闘シーンが無かったので疑問に思ったカリエが尋ねた。


「鞭と警棒ですね」

「鞭・・・強いの?」

「割と足を引っかけたり出来ますが・・・あまり戦力としてあてにしないで下さい

あくまでも自衛ですので・・・」

「まぁ仕方ないかな・・・」

「そろそろステーキハウスが見えて来たよー」


花子が馬車の窓を指差した。


ステーキハウスは高い壁に囲まれその壁を超える高い煙突が立ち並ぶ。

そして近くには大きな滝が流れ水の便も良かった。


「肉の良い匂いがするぅー」

「金槌の音も聞こえるなぁ・・・」


そうこうしている内にステーキハウスの門に辿り着いた一行。


「止まれー、 一体何の用件でこの街に来た?」


衛兵に止められる一行。


「勇者シエンさんからの紹介で武具を作って貰おうと思いまして」

「ふむ、 紹介状は?」

「はい、 こちらです」


紹介状を出すロダン。


「おぉ、 大爺様の所か」

「はい?」

「何でもない、 この鍛冶屋は街に入って

ずっと奥にある滝の近くに居を構えている、 別口で仕事の依頼をしている勇者が居るから

順番待ちになるかもしれないな」

「そうなんですか、 ありがとうございます」

「よし、 じゃあ門を開けろー」


衛兵の声と共に開く門。

門の向こうには更に門が有った。


「???」

「この街は色々と警備が厳重でな、 武器や武器の原料の希少鉱石を狙う者達への対策に

街の門と壁は二重になっているんだ」

「そうなんですかー」

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