第131話【Solicitation】

リングから降りたロダンを拍手しながら出迎えるバンメン。


「初めましてと言うべきかな? 俺はバンメンだ」

「え、 あ、 どうも・・・」

「少し話しても良いかな?」

「え、 でも他に試合も有りますし・・・」

「ちょっと、 誰だお前」


モルガナがバンメンの肩を掴む。


「私はロダンの女だ」

「・・・意外とやり手なんだなぁ、 ロダン君」

「モルガナ、 誤解を招くような事を言わないでよ・・・

バンメンさん、 でしたっけ? 何ですか?

僕は試合を見たいんですが・・・」

「なら試合を見ながらでも良いさ」


選手席に移動する三人。


「待て、 俺も行く」

「ホワイトさん? 一体何ですか?」

「ふむ、 実は」

「第5試合ポンセー施主VSミスターX選手の試合が始まります!!」


わあああああああと歓声が響く。


「ダークネスリング!!」


ミスターXが魔法を唱えた!! するとリング場が闇に包まれた!!


「こ、 これは何も見えません!! 一体何が!!」

「これでは試合内容も何も分かった物ではないじゃないか!!」

「こんなんアリか!!」


観客からブーイングが出る。


「何も見えないし話をしても良いかな?」


バンメンが話を始める。


「え、 あ、 はいどうぞ」

「実は俺は君と花子をスカウトしに来たんだ」

「俺もスカウトに来た」

「え?」

「おい、 待て、 どういう事だ?」


バンメンとホワイトの言葉に困惑するロダンに代わり

モルガナが間に割って入る。


「君と花子を前々から我々【イレギュラーズ】は注目していたんだ」

「我々ギルドも注目していた」

「なるほど・・・如何思う? ロダン?」

「イレギュラーズ? とやらは置いておいて僕と花子がギルドに入る事は無いですよ」

「な、 何故!?」

「花子はギルド所属だったんですが花子を殺そうとした

ギルド構成員を庇おうとした支部長を見た事が有ります

ギルドは信用なりません」

「そんな・・・俺はギルドマスターから命令されて来てるんだぞ・・・

勧誘失敗したらギルドマスターに殺される・・・!!」

「そんなに恐ろしい人なんですかギルドマスターは?」

「長年生きているエルフらしいんだが

精神年齢が幼過ぎて加減出来ずに殺してしまう事が多い

今までに付き人を何人も殺しているらしい・・・」

「じゃあアンタ、 俺んとこに来るか?」


バンメンがホワイトを勧誘する。


「そうした方が利口だな・・・」

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