第129話【1st round 3nd match】

第3試合ソルトとベアードの試合が始まった。

ソルトは剣と盾の軽装の戦士でベアーは重武装の大剣である。


「第3試合は今大会の目玉!! ソロと言えばこの人!!

"独眼竜"ベアード!! その逸話はまさに伝説の数々!!

数百のアンデッドを一人で薙ぎ払い、 魔術師の魔法すらも砕く!!

その強さはまさに隻眼の龍!! 対しての相手は無名だが

逃げずにこの場に来たソルト!! 彼の勇気に惜しみない拍手を!!」


わあああああああああああああ、 と歓声が上がる。


「俺の前に立つとは見上げた勇気だ」

「あ、 あぁ、 試合前に吐いたよ・・・」


ベアードの言葉にソルトが震えながら答える。


「だがよ、 ここで一矢報いれば俺の評価も上がるってもんだ!!

ここで引いたら男が廃る!!」

「・・・・・」


ベアードは大剣をリングの外に放り出した。


「おぉーっと!! これはどういう事だぁ!? ベアードが大剣を捨てたぞぉ!?

これは挑発なのかぁ!?」

「いや、 俺と戦うならば勝ちに来るべきだ

勝てない戦いはするべきでは無い、 ましてや一矢報いるのが目標と言うのは

志としては如何かと思う、 故にだ」


拳を構えるベアード。


「本気で行かせて貰う、 殺しはしないが後遺症は残る程度には殴り飛ばしてやる」

「・・・・・!!」


ベアードの気迫に圧倒されるソルト。


「うわああああああああああああああ!!」


ソルトは半狂乱になってリングの外に出た。


「またしてもリングアウトおおおおおおおおおおお!!

こんな事が有って良いんでしょうか!!」

「予選とかしておくべきだったな・・・」


ベアードがリングから降りる。


「流石ですね、 ベアードさん」

「うん? お前は・・・どっかで見た白髪」

「ホワイトです、 いやいや凄い気迫でしたよ、 観客も震えてますよ」

「如何と言う事は無い、 それより次はお前の試合だろう?」

「えぇ、 何の因果か知りませんがギルドからスカウトするように言われていた子です」

「おいおい、 そんな奴と戦って大丈夫か?」

「賢者の石を手に入れる方が私の為になりますからね・・・」


そう言ってリングに上がるホワイト。


「さぁ!! 第4試合の始まりです!! ロダン選手VSホワイト選手です!!

次こそ盛り上げてい下さいよぉ!!」


盛り上がらない試合が続いているので縋る様にゾラが絶叫した。

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