第122話【Participants part1】

カレーの街に辿り着いたバンメンとナリキン、 ケイマの三人。

ケイマは犬を何匹か連れている。


「お祭りの様だな・・・」

「うちのわんチャンもちょっと興奮しているかな?」

「ははは、 まぁ今回は勧誘するだけだし問題無いだろ」

「そうね」


3人と犬たちは街の中を進んで行った。

犬の一匹が落ちている新聞を拾った。


「ん? どれどれ・・・バンメン、 ちょっとこれ」

「如何した?」

「この街で開かれる武道大会の景品が賢者の石だってよ」

「賢者の石!?」

「本当かよ・・・如何します? 出場します?」

「こんな美味しい機会を見逃す手は無い、 ケイマ

お前はこういう武術大会には不向きだ、 お前は花子達の勧誘に迎え」

「分かったわ」

「よーっし、 じゃあエントリー行くぞナリキン」

「はい!!」


彼等は二手に分かれるのだった。


「む? 彼等はイレギュラーズのメンバー・・・何故こんな所に?」


ポンセーが立ち止まり呟く。

それにぶつかる巨漢の男。


「おい!! ぼけーっとつったってるんじゃない!!」

「おぉ!! すまないな!! 失礼した!! 怪我は無いか!!」

「ふん!! この俺が怪我する訳無いだろう!!」

「そうなのかい? 去年は居なかったみたいだけど」


サラサラヘアの伊達男が微笑みながら口を挟む。


「お前はフィールズ!!」

「フィールズ? 前年大会優勝者の?」

「前年だけじゃなくて現在四連覇中なんだよ、 はっはっは」

「ふん!! 良い気になるなよ!! この猛牛のハンス様が今年こそお前を倒す!!」

「出来るかな? 君は四年前の大会も三年前の大会も一昨年の大会も準優勝だったじゃないか」

「ふん、 最初は油断して次の大会は腹を下して

その次の大会は前の戦いの傷が長引いただけだ、 今回の大会は勝つ」

「そうかい、 ふふふ、 楽しみにしているよ、 あぁそうだ

ハンス、 一つ聞きたいんだけど、 前回の大会に出なかったのは何で?」

「前回の大会は同じ日に親戚の結婚式が有ったんだ、 出席しない訳には行かなかった」

「そうなんだ、 じゃあね」

「あぁ、 決勝で会おう」


そう言って立ち去るフィールズとハンス。

今日が試合開始日じゃないのでこの後普通に宿屋で二人が出くわすのだが

それはまた別の話。


「さて、 俺もエントリーをすませるかな!!」


ポンセーも先に進んだ。

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