第121話【Ten million stone】

ポンセ―が来てから三日後、 朝早く起きて散歩をしてお爺さんと会話をした後に

家に戻るロダン、 家では花子が新聞を読みながら

ベルーズお手製のシフォンケーキを食べていた。


「行儀が悪いなぁ、 ベルーズ、 僕にもケーキ下さい」

「はいはい」

「はぁああああああああああああああああああ!!!?」


ガタン!! と朝刊を読んでいて立ち上がる花子。


「ど、 如何したの?」

「こ、 これ見て見なさいよ!!」


朝刊を指差す花子、 そこに書いて有ったのは

【カレーの街の武道大会、 優勝賞品に賢者の石

副賞で100万G相当の要求を聞く】と言う一面記事だった。


「賢者の石?」

「賢者の石よ!! 賢者の石!!」

「賢者の石ですって?」

「嘘でしょ?」

「賢者の石・・・本当か・・・」


花子の声に呼応して集まる皆。


「あの・・・賢者の石って何?」


ロダンが尋ねる。


「賢者の石って言うのは魔導触媒に最適な石の事よ!!

作るのは困難を極め、 一個作るのに1000万Gは余裕でかかる!!」

「副賞で100万G相当の要求を聞くって言うのも気になるなぁ・・・」

「いやいや!! そっちも凄いけどもこっち!!」

「僕達、 お金なら一杯有るじゃない・・・」

「あのね、 賢者の石って言うのは手に入れるのも大変なのよ?

お金は1000万はかかるって言ったけども唯お金を持っているだけじゃ駄目

色々とコネが無いといけないのよ」

「へぇ・・・」

「これは少し興味が出て来たな」


にやり、 と笑うモルガナ。


「モルガナ、 参加するの?」

「所詮は腕自慢の大会かと侮っていたがこれなら腕利きも出るだろう」

「ふーん・・・副賞で100万G相当の要求を聞くって言うので

好き勝手治療しても良い権利とか貰えないかな?」

「いや、 それは如何だろう、 出場してみたら」

「そうだね、 じゃあ今日エントリーしにいってみようか」

「そうね・・・エントリーの締め切りは明後日までだから急いだ方が良いかもしれないわ」

「うん、 花子もエントリーする?」

「う・・・私は・・・止めとく

この武闘大会は1対1の戦いだから私には不向きだ」

「じゃあ私は出場しようかしら」

「お嬢様も不向きでは? 弓では少々」

「あら? 私を甘く見ないで貰えるかしら?」


にこ、 と笑うカリエだった。


「んじゃ決まりだね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る