第118話【I'll call the police】

「私と戦いなさい!!」

「嫌よ」


少女の言葉に即答するモルガナ。


「っ!! やぁ!!」


少女はハイキックをかますもモルガナに捕まれる。


「いや、 何よさっきから」

「この塀を超すテニスボールを投げられる貴女・・・

只者じゃ無いわね」

「いや、 何なのよ本当に、 邏卒呼ぶわよ」

「う・・・」


警察呼ぶぞ、 と言われて引き下がらない程、 この少女も物分かりが悪い訳では無い。


「私の名前はヘツブ、 貴女の名前は?」

「いや、 本当にしつこいわよ」


そう言って屋敷に戻るモルガナ。


「・・・・・」


そのモルガナを睨むヘツブ。


「おかえりー、 何か凄い睨まれてるけど如何したの?」


ロダンがモルガナを出迎える。


「さぁ? 良く分からん、 結局テニスボールは返して貰えなかった」

「あぁ・・・やっぱりね、 さ、 続きをしましょう」


テニスの続きを始めるカリエとモルガナ、 外からその様子を見るヘツブ。


「あの・・・どうかしました?」


ロダンが気になってヘツブに話しかける。


「貴方には関係無い」

「いや一応僕の敷地の前でずっと居られると気になるんですけど・・・

彼女が何かしました?」

「・・・・・あの女・・・中々出来ますね」

「・・・・・」


ロダンはスタスタと隣に向かった。


「すみませーん」

「・・・」


隣の屋敷から別のメイドが現れた。


「如何しました?」

「貴方の家のメイドさんがウチの前に張り付いて離れないんですよ

如何にかして下さい」

「・・・・・」


門かた首を出して確認すると、 メイドがヘツブを連れて帰って行った。


「すみません・・・どうも・・・」

「・・・・・」


頭を下げるヘツブ。


「いえ、 今度から気を付けて貰えれば・・・」

「・・・・・」


ヘツブとメイドは屋敷に戻って行った。


「ほっほ、 あの子は気が張り詰め過ぎて周囲の強そうな人

全てが敵に見えてるんじゃよ」


今朝、 擦れ違ったお爺さんが現れた。


「お爺さん? それって病気か何かですか?」

「いやいや、 そう言う事じゃないよ

この街で武道大会が行われるのは知っておるかな?」

「武道大会?」

「そう、 あの子はその武道大会にエントリーしている

だから周囲の強そうな奴を警戒しておるんじゃよ」

「へぇ・・・でもモルガナ武道大会に興味有るのかな?」

「ほっほ、 聞いてみると良いんじゃないかな?」

「それもそうですね」

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