閑話【その頃の山田達】

「おい!! マドルドが捕まったってよ!!」

「「うぇ!?」」


山田達が職探しに色々奔走し別の街の酒場でそういう話を耳にした。


「何で!?」

「裏でゾンビパウダーの売買をしていたらしい!!

警備員や使用人もしょっぴかれたってよ!!

俺達は首にされて良かったって事だ!!」

「ウルトラCだったって事か!!」

「「「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」」」


一しきり笑った後でしょげる山田達。


「虚しい・・・」

「そうだな・・・マドルドが捕まったからといって

私達に金が入ってくる訳じゃないし・・・」

「あ、 我々の給料が良かったのって口止め料的な事も含まれていたのか?」

「あー・・・なるほどね・・・」


溜息を吐く福島。


「それは兎も角、 マジで仕事探さないと駄目ですよ・・・」

「俺達でも出来る仕事・・・何か無いかな・・・」

「ほんとにねぇ・・・」


溜息を吐く三人。


「何かいい仕事ないかなぁ・・・」

「本当になぁ・・・」

「・・・・・花子がよぉ一緒に居たあの餓鬼と女、 誰だ?」


山田がぽつりと疑問を口にする。


「パーティメンバーじゃないの?」

「新しいパーティか・・・・・景気のいい話だ」

「しかし本当に如何する?」

「うーん・・・急募で魔王の拠点を落しに行くって言う仕事が有るけど?

命の保障無いけど・・・」

「魔王の拠点を?」

「うん、 クラウン公国のレストラン・スリムって勇者パーティからの依頼・・・

採用人数に上限が無いからパーティメンバー募集って言うよりは

人手が居るから募集しているって感じかな・・・如何する?」

「そこで大活躍すれば勇者からの覚えが良くなる、 って事か?」

「如何だろう・・・レストラン・スリムって聞いた事有る?」


京子が福島に尋ねる。


「クラウン公国の勇者だから情報は殆ど無いな・・・

でも今募集している仕事はそれ位しか無いんだろ?」

「どっかの学園の用務員の仕事もあるよ、 力仕事出来る方優遇だって

こっちは命の保障が有るんじゃないの?」

「学園で命を落とすってどんな状況だよ

まぁ兎に角魔王の拠点を落す仕事を受けようじゃないか」

「そうしようか、 場所は?」

「結構近いね・・・」


画してその日暮らしの山田達はこうして新しい仕事を得る事に成功したのだった。

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