第64話

教会に成人の儀を執り行う祭司がやって来た。




「それでは本日は御三方の成人の儀、 及びスキル取得を始めます


今回は私が取り仕切らせて頂きますのでよろしくお願いします」


「よろしくお願いします!!」




三家の家族を含めて数十人が返礼したのでそれなりに大きな声になった。




「それではどの順で始めますか?」


「五十音順で俺からで良いんじゃないですか? 皆さんそれで良いですよね?」




コケが尋ねる。




「まぁ良いんじゃないのか?」


「そうですね・・・」




特に不満が無い様なのでコケがスキル取得の儀式を始めた。




「えぇとそれではコケ様、 貴方に与えられたスキルは


【暗殺者】【拳聖】のスキルですね」


「二つも貰えるのか? 兄貴、 じゃなかった兄上はスキル一つだったが・・・


それよりも剣聖? 俺、 じゃなかった私は拳一本だが・・・」


「拳に聖と書いて拳聖です」


「おぉ、 何か凄そうなスキルだな・・・」


「ではスイカ様、 お次どうぞ」




コケが下がってスイカが前に出た。




「スイカ様に与えられたスキルは【大槍使い】【騎乗】【追撃者】ですね」


「三つ!? 複数のスキルを与えられるのは普通なのか!?」




コケが驚き叫ぶ。




「いえ、 滅多にない事ですが・・・では最後にモルガナ様、 前に」


「はい」




スイカが黙って下がってモルガナが前に出る。




「貴方に与えられたスキルは・・・・・・・え?」


「・・・・・」




モルガナは眼を見開いた。




「え・・・・・え?」


「如何したんだ?」


「失礼しました、 モルガナ様に与えられたスキルは


【狂戦士】【ラテン語】【でぶ妖精マイスター】【持たざる者】【躁鬱】です」


「5つも!?」




コケが驚愕する。




「わ、 私も5つもスキルを授けられた方を見るのは初めてです・・・」


「ほうほう、 一個変なスキルも有ったが我が娘は優秀だと言う事ですなぁ」




ダイヤがモルガナに近付き、 ポンと肩を叩く。




「良かったな、 まだ見所がありそうだ」




モルガナにだけ聞こえる様にダイヤが呟く。




「・・・・・」




モルガナは震えた。




「・・・るな」


「うん? 何だって?」


「・・・・・」




肩に乗ったダイヤの手を掴むモルガナ。




「触るなって言ったんだよ、 この糞オヤジィイイイイイイイイイイイイイイ!!」




ダイヤは宙に吹っ飛んだ。




Re:incarnation


第64話【Enlightenment】

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