第52話【The soul wears down】

「私の出番殆ど無いなぁ・・・」


ロダンの活躍を後目に花子が呟いた。


「花子!! そっちの中に怪我人が居るみたい!!」

「え?」


ロダンが指差した先に洞窟が有った。


「っと!! ちょっとついて来て!!」


最後のゾンビを浄化した後に洞窟に入るロダン、 後を追う花子。


「あ、 待って!!」


花子も後を追う。


「っ!! 危ない!!」


ロダンをワイヤーを投げて止める花子。


「ふぎゃ」


ロダンがすっ転ぶ。


「何でー・・・?」

「良く見て罠だ」


確かにリールの様な物が配置されている。


「直ぐに解除するから待って」

「おぉ・・・」


花子が手際よく罠を解除する。


「ありがとう花子!!」

「それほどでも・・・ロダン、 急ぎたい気持ちも分かるけど

罠に引っかかって貴方が倒れたら治療は出来ないわ、 罠を解除していくから落ち着いて」

「・・・・・・・・・・」


ロダンは文字通り血の涙を流し、 歯を食いしばって血が流した。


「いや、 そこまで精神的に追い詰める発言はしてないわ・・・」

「・・・・・・・・・・・分かったッ!!」


ロダンが魂の奥底から絞り出した様な声で返答した。


「いや、 そこまで悩む事でも無いでしょう」

「辛い・・・魂を石臼ですりすりされる様だ」

「あんまり辛そうな表現じゃないわね、 すりすりは」


そんな事を言いながら前に進むロダンと花子。

花子が罠を解除してくれたおかげで何事もなく進めた。


「あ、 牢屋だ」

「鍵を解錠するよ」


牢屋の鍵を開けた花子。

ぽかーんとする牢屋の中のカリエ達。


「あの、 貴方達は・・・」

「マルチ・ヒール」


ロダンは怪我人達を見るなり回復させた。


「よし、 じゃあ残りを片付けよう」

「え? 残りって?」

「まだ奥に居るよ」

「怪我人?」

「多分アンデッド」

「え・・・この人達は?」

「罠は解除したしアンデッドは奥にしかいないから大丈夫でしょ、 行こう行こう」

「は、 はぁ・・・」


ロダンは奥に進み花子も後に続く、 カリエ達は呆気に取られている。


「えっと・・・あれが噂のヒーラー・・・?」

「に見えますね、 如何します?」

「・・・まずは武器を取り戻しましょうか」

「そうですね」


カリエ達は牢屋から出て武器を探すのだった。


「武器を取り戻したら如何します?」

「そうね・・・ヒーラーを追いましょう」

「そうしますか・・・」

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