第50話【Horsemen】

「ん・・・ん・・・ここは・・・?」


カリエが目を覚ますとそこは牢屋の中だった。


「お目覚めですかお嬢様」


縛られているベルーズと従者達。

カリエも縛られていた。


「ここは!?」

「ォ目覚めかナ」


イントネーションが可笑しい声が牢屋の外から響く。

そこに居たのは馬の様なアンデッド。

馬の体に人間の腕が生えているそして馬の胴体部に目玉。


「ドォーモ、 ホースメンです」

「・・・・・」

「挨拶位かえぇしたらどうだイ?」


カリエは戦慄していたアンデッド・・・

それも意思疎通が取れる高位のアンデッド。

自分が生きている内に自分の眼の前に現れるとは・・・


「何が目的だ」

「話ガ早ィね、 評価+1」

「・・・・・」


カリエに冷や汗が流れる。


「まァ、 安心しナよ、 目的は君達ジャない

噂のヒーラー君だヨ」

「お前達もヒーラーを追っていたのか・・・そこまで強いヒーラーなのか?」

「サァネ、 魔王様から指示を受けた四天王からの指示だかラネ

詳しい事は全然知らない、 とりあえず殺しちゃおうと言う話だヨ」

「っ・・・」

「さて、 君達は怪我人ダ、 噂が確かならば怪我人に引き寄せられて

噂のヒーラーがやって来る筈・・・」

「そういう見つけ方が有ったか・・・」


カリエが自嘲気味に笑う。


「噂のヒーラー、 如何なる物か体験出来る事を喜ぶべきか

この状況を嘆くべきか・・・」

「カカカッ、 安心シナヨ、 君程の腕なら良いアンデッドになるヨ」

「!!」


カリエはぞっとした、 こんな化け物に自分もなるのかと戦慄した。


「・・・ふん、 舐めてくれるなよ化け物、 こう見えても私は男爵家の跡取りだ

アンデッドになったとしたら魔王の首を刎ね飛ばしてやる」

「オォ、 こわ」


虚勢を張ったが意味は無い。

しかし張らずにはいられなかった。

そんな事を言っていると


うああああああああ・・・うあああああああああああああ・・・と外から声が響く。


「な、 何!?」

「ゾンビ達が泣いていル・・・何か有ったのかナ?」


ホースメンはとことこと外に向かって行った。


「お嬢様、 もしかしたら・・・」

「件のヒーラーかもしれないって訳ね、 何れにせよ見張りが居ないなら好都合

ベルーズ、 縄を解ける?」

「やってみます」


縛られた手で何とか縛られた縄を解こうとするベルーズ。


「こんな事なら小刀でも隠し持っておけば良かった」

「次は気を付けましょう、 あればですけど」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る