第20話【Don't count your chickens before they are hatched】

ロダンが机に向かって何かを計算している。


「何をしているんだ?」

「ロダン・・・計算しているんだ」

「計算?」

「そう、 さっき僕が天使さんと戦って与えたダメージは82

前回は大体58ダメージを与えた」

「ふむふむ、 それが?」

「つまり1回の戦闘で40%増しでダメージが与えられた

それだけ成長したって言う事なんだよ」

「そうだな、 それで?」

「天使さんの体力は35万だから何回目の挑戦で倒せるか計算しているんだ」

「・・・・・ふーん、 それで?」

「今のままなら27回目のチャレンジで天使さんを倒せる計算になるんだよ」

「なるほどなるほど、 しかしその計算には大きな穴が有る」

「穴?」


首を傾げるロダン。


「お前が前回よりも40%増しの戦果を挙げられたのは

その分成長したからだ、 それは分かるな」

「うん、 分かるよ、 だからこのまま27回分成長すれば行ける筈」

「厳しいだろ」

「えぇー・・・何で?」

「だって前回と今回ではスキルを習得したじゃ無いか」

「スキルを習得?」

「ステータスのスキルの欄を見て見ろ」

「えっと・・・どうすれば・・・」

「・・・・・」


ロダンにステータスのスキル欄の見方を説明するデッド。


「ここをこうこうこう」

「こう?」

「そうそう、 続けてそこをこうこう」

「うん、 見れた」


Skill

【Martyris】

【ラテン語】

【薬師見習い】

【熟読】

【人体解剖学】


「・・・・・何だか増えてるね、 僕のスキルって二つだけじゃないの?」

「お前のこれまでの勉強の結果がコレだよ」

「なるほど・・・僕の勉強が役に立っているんだなぁ・・・」

「人体解剖学は人体の事だから今回の戦闘に少し役立った

つまりお前の論理で言えば戦闘の役に立つスキルを後27個取得しなければならないと言う事だ!!」

「スキルを27個・・・それって」

「普通に厳しいぞ、 現実的とは言い難い」

「むむむ・・・」


考えるロダン。


「ならば27倍頑張れば良い」

「無茶だ、 お前は常人以上の頑張りを既にしている

これ以上頑張ったら肉体が灰になる」

「そ、 そこまで!?」

「・・・灰になるは言い過ぎか、 でも廃にはなるな」

「うぅ・・・どうすれば・・・」

「考えるしか無いだろうじっくりゆっくり、 しかし確実な手を思いつかなければならない」

「・・・」

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