第3話【Healing magic】

「魔法かぁ・・・なんとなくしかわからないなぁ・・・」


ロダンがぼそりと呟く。


「何となく? どの位知っているの?」

「なんだかドカーン!! とかギュイイ!! とかそんな感じ」

「どんな感じだよ」


デッドがヘラヘラと笑う。


「まぁ魔法に対するイメージとはそんな物ですよねー」


天使がいう。


「しかし貴方の得意な魔法はそういう物じゃなくて」


黒板にデカデカと書く。


「何魔法って読むの?」

「治癒魔法です」

「なんだか難しい字を書くねぇ・・・どんな魔法なの?」

「怪我を治します」

「・・・怪我って時間が経てば治らない?」

「治るな、 つまり治癒魔法はゴミか」

「普通にしてたら治りますけども急いで治したい時には治癒魔法が良いんです!!

デッドも変な偏見を与えない!!」

「へいへーい」


デッドが頭の後ろで手を組む。


「うーん、 でも僕の得意魔法が治癒魔法・・・ピンと来ないよ」

「そうでもない、 毎日天使に戦いを挑んでボコボコにされるだろ?」

「うん、 でも朝起きたら元気になっているよ?」

「それは貴方が自分の体に知らず知らずの内に治癒魔法で治癒しているからです」

「そうだったのか」


驚くロダン。


「でも治癒って事は相手をやっつける魔法とかじゃないんでしょ?

僕は魔法よりも剣を使いたいなぁ、 剣で悪い奴をやっつけて皆を守りたい」

「うーん、 でも怪我した人を治せるのは良い事だと思うよ」

「て、 天才か・・・」


天使の発言に驚くロダン。


「でも、 まずここから出ないと」

「そうだね、 その為には私を倒さないと」

「・・・・・」


天使をまじまじと見つめるロダン。


「天使は僕をここに閉じ込める為に居るんだよね」

「まぁそうだね」

「じゃあ何で僕に勉強を教えたりするの? 出られちゃうかもしれないじゃない」

「さぁ・・・何でだろうねぇー」


またはぐらかす天使。


「んじゃ今日も戦いを始めるか? 朝飯食ってもう消化し切れた頃だろう」


デッドがぽんと手を叩く。


「そうだね」


黒板を退かし、 机を片付けるロダン。

そして剣を取り出す、 天使も槍を構え臨戦態勢になっている。


「まだまだ君は外には出られないよ」

「うん、 でもやるだけやってみるよ」

「ふっ・・・じゃあ来なさい」

「とおおおおおおおおおおおお!!」


ロダンは剣を構えて飛び掛かった。

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