お姉さんと触れ合いましょ~❤

 「あらあら~。また今日も来てくれたのねぇ~❤」


 男子禁制の酒場、ダンサブルングの酒場。今日もいつものように美しい踊り子達が踊りを披露している。そんな踊り子達の中でも、母性本能に溢れていることから人気の踊り子がいる。それが今年26歳を迎えた踊り子・ミラである。


 彼女の魅力は踊りだけでなく、客の女性達との接し方にある。


「ミラお姉さまぁ~」


 そう言いながら客の1人がミラの太ももに触れた。


「あらあらぁ~。また甘えん坊がいたのねぇ~」


 そう言いながらミラは、客の手を取って自身の豊満な胸の谷間に迎え入れた。


「ふわぁ~、お姉さまぁ~……」


 客はそのままミラの巨乳の間で意識を手放した。


「はぁ~❤ お姉さまのお胸……素敵ですっ!」

「お尻も素敵ですよぉ~❤」


 そこに他の客が群がり、ミラの横胸やお尻を触り始めた。


「あらあらぁ~。みんなったら甘えん坊さんなんだからぁ~❤」


 ミラは一切抵抗することなく、全員を受け入れていた。


 ダンサブルングの酒場では、ある程度踊り子の裁量に任されているがお触りは許されている。その中でもミラは特に寛容的で、どこをどう触られようとも全て受け入れてしまうのだ。出るところは出て、引き締まるところは引き締まっている魅力的な身体と言うこともあり、客からの人気も非常に高い。


 ちなみに、踊り子の方から客へのお触りもある程度許されているので、酒が進むと酒場では踊り子と客の触り合いが多くなる。


「相変わらずミラちゃんの人気は高いわねぇ~」


 そんな彼女の様子を、店長のカミーラは青銅色のパイプをくゆらせながら眺めていた。


 踊り子達の自主性を重んじる店の主としては、ミラのような踊り子の在り方も一つの正解として見ていた。日ごろの仕事、私生活の疲れを持った女性達を癒す踊り子達の姿こそ、この店の真の売りであることを誰よりも理解しているからだ。


「カミーラさん、またミラさんへの人気が上がってますね」

「そうねぇ。あの子は前からああだったもの。この店で人間関係でトラブルが起きた時も、あの子がいてくれたことで助かったことが何度もあったわ」


 ミラは踊り子達の中でも年長者にして、全ての踊り子達を統括する踊り子統括役なのだ。またウェイトレス達とのコミュニケーションもしっかりと取るので、何らかの問題があった時は、彼女が良く仲裁をすることがあった。包容力のある性格と対人関係能力の高さは、踊り子達の間でも随一と言っていいだろう。ミラの客とのスキンシップの多さも、その1つと言える。


 やがてミラの踊りが終わり、舞台裏に彼女が降りて来た。


「お疲れ様ミラ。今日の踊りも見事だったわ。お客様のお触りも、いつも通りだったわね」

「ええぇ~。今日も甘えん坊ちゃん達がたぁ~くさんいたわぁ~❤」


 カミーラの称賛に、ミラは口に手を当てて微笑みながら答えた。


「ミラお姉さまぁ~!」


 するとそこへ、1人の踊り子が泣きながらミラに抱き着いてきた。


「あらあらぁ~、どうしたのぉ?」

「今日の踊り、成功するか不安なんですぅ~。ミラお姉さまに抱きしめていただかないとぉ、不安が残っちゃうんです~!」

「それは大変っ! ミラお姉ちゃんが抱きしめてあげるわぁ~❤」


 そう言いながらミラは踊り子をギュッと抱きしめた。彼女の顔を、自身の豊満な胸の谷間に埋めながらである。


「お姉さまのお胸、安心しますぅ~❤」

「ふふっ、出番までこうしていてあげるわよぉ~」

「ちょっとちょっと? あなたはそろそろ帰るんじゃなかったのかしら?」


 そこでカミーラが苦笑いしながらミラに尋ねた。


「予定変更よ~❤ これから出番がある子達で不安がってる子は、お姉さんが抱きしめて安心させてあげるわぁ~❤」

「まったく、でも、それが如何にも貴方らしいわ」


 と、カミーラはやれやれと言わんばかりの態度をとりつつもそれを了承した。もっとも、ミラのこういった姿勢が、ダンサブルングの酒場の踊り子達の心の癒しとなっているのも事実なので、その意味ではカミーラも助かっているのだ。


__________


 それから2時間後の午前1時。1日のプログラムを終えたダンサブルングの踊り子達の酒場では、店長のカミーラ、ウェイトレス統括役のレセカナ、そして踊り子統括役のミラの3人が、来月のプログラムに向けた会議を終え、帰り支度をしていた。


「じゃあ、私は先に出るわ」

「レセカナさん、お疲れ様です~」

「その前に……」


 そう言いながらレセカナは、ミラの谷間に頭を埋めた。


「真面目なレセカナも、ミラの巨乳の魅力には抗えないのねぇ~」

「カミーラさんもよろしいんですよ?」

「私は大丈夫よ~」

 

 と、カミーラは微笑みながら断った。


「店長ったら、この魅力を一度は知ってもよろしいのに……」

「ミラの魅力はお客様と踊り子と店員に与えられてしかるべきものって思ってるの。それに、私はあなた達みんなから、癒しをもらってるわ。レセカナ達の真面目さや、ミラ達の踊りに、私も魅了されてるのよ」


 と、カミーラはうっとりしながらそう言った。


「ふふっ、カミーラさんらしいわ❤ それで、レセカナちゃんは癒されたかしらぁ?」

「ええ~。もう十分にぃ~❤」


 レセカナは先程までの真面目な態度が崩れており、頬を赤らめてふにゃふにゃになっていた。疲れ切っている踊り子達やウェイトレス達が癒されると、誰もがこんな態度になるのだ。


「レセカナったら、完全に癒されたのが傍から見ても分かるわねぇ~」

「ふふっ、これで明日からのお仕事も、元気いっぱいに頑張れるわねぇ~❤」

「そうねぇ~❤ ありがとう、ミラぁ~❤」


 そう言いながらレセカナは更衣室に戻って帰り支度を始めた。


「それにしても、本当にミラには助けられてばかりだわ。あなたのおかけで、この酒場の皆が癒されてるわ」

「いえいえぇ~。それに私も、みんなの元気な踊りや仕事ぶりを見て、すっごく癒されてるんですよぉ~」

「そうなの?」

「ええ。実家の妹達の面倒を見てるみたいで、なんだか癒されるんですよぉ~❤」

「……本当、あなたらしいわ。これからもその包容力で、みんなを、そしてお客様を癒してね」


 カミーラはミラに優しく微笑んだ。

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