第43話 第1回イベント前半戦7
イベントが始まってからもう6日が経った。
今の所俺の成績は273人撃破で所持金は204.780wだ。
もし今倒されてしまったらこの半分のwワールドを取られてしまう。
あれからレベルは3つ上がって、25になっている。
経験値のほとんどはルシファーから頂いたと言うことは秘密にしておこう。
ポイントはまだ振り分けていない。
自分がどんなスタイルでいくか、決めきれていないからだ。
そして少し眠い……
今日のシフトが朝6時からだった為、昨日の夜から起きていることにしたのが間違いだったか。
まぁいいか
どうせ何も起こりはしない。
今日も1人悲しくルシファー退治でもしていよう。
そう思いながらも、なるべく多くの人と戦おうとした俺は、南の大陸の拠点付近のフィールド、一層目 '始まりの草原' まで来ていた。
見渡す限りの草原にプレイヤーは1人もいない。
理由はわかっている、攻略された魔王を倒す為にほとんどの人が大陸移動をしたからだ。
昨日のデータでは雷の魔王だけで5万人以上のプレイヤーと戦闘しているとメールで報告があった。
氷の魔王もどんどん戦闘回数が増えていっている。
光と混沌の魔王については、雷と氷の魔王と報酬が同じ事を確認されてから相手にされなくなっていった。
俺の操作する炎の魔王、鈴木さんの操作する黒の魔王は、どうやら無理に戦う必要がないと判断されたらしい。
特に黒の魔王については、プレイヤー間で有名な人を纏めて倒した事もあると話題になっているので、尚更だ。
「やっと会えましたね、まさか始まりの草原に居るとは思いませんでした」
いや、それも配信者にとっては話は別か。
そりゃあ、全ての魔王の攻略動画を載せたいに決まってるよな。
思わぬ強敵の出現に眠気が吹き飛ぶ。
「皆さんこんにちは、僕はセカワーで生きていく、略してセカ行きのリンです、今日はまだ討伐情報の出ていない炎の魔王を倒してみたいと思います」
昨日聞いた言葉が目の前で発せられる。
生の配信風景を見るのは初めてだ。
ここで攻撃したら怒られるのだろうか?
もしかしたら叩かれるかもしれない……
すこし迷う……
侍の様な格好をしたプレイヤーは、炎の魔王のステータスを大きく表示させる。
口も動いているので、何か解説でもしているのだろう。
炎の魔王 レベル25
魔王
シルバーソード 攻撃30
HP98
攻撃45+30
防御45
速度10+50
技術10
魔力10
火球 火球極広(1000)
スキル
体術(5)
全武器(1)
魔法(1)
対複数人補正(人数×0.1)
魔王の心Ⅳ
俺も今のうちに相手のステータスを確認する。
リン レベル52
武士
白銀の刀
上質な和服
HP101/101
そしてあることに気付く。
上質な和服は販売アイテムだ。
前に見せてもらった販売アイテム一覧を思い出す。
確か300000w位はした筈だ、そして効果は速度+50、技術+50、遠距離戦が得意な人が買うイメージだった。
さらに情報を思い出す。
昨日の動画では攻撃90、防御40だと自己紹介していた。
負けるかもしれない戦闘に頭が回りだす。
奴のステータスを推測しろ。
攻撃90
防御40
速度 x+50
技術 y+50
魔力 z
居合 風斬り
さらに深く考える。
レベルは52 、増えているポイントは最低でも102。
攻撃は80増えているが、刀の影響も受けているだろう。防御はほぼ確定で30振っているはず。
残りは最低72ポイント、魔力もある程度は持っているとみて間違い無いだろう。
うん、わからないな。
情報が少なすぎる。
ただ攻撃を当てる事が出来れば体力は減らせるはず。
ならば先手必勝だ
ネットでも評価など、負ける事に比べればどうでも良い。
なにより自分の敗北動画が配信されるなんて、面白いわけがない。
俺は魔力に12の自由ポイントを振り分ける。
同時に目の前のプレイヤーがすこし驚いた顔をする。
あぁ、ステータスを覗いてたんだっけ?
このゲームは、魔王と近付くと、戦いに参加しますか? と脳内にアナウンスが流れる仕組みだ。
参加するを押したプレイヤーは魔王から一定以上離れる事が出来なくなり、戦闘中のログアウトも禁止される。
また、参加しているプレイヤーの数が対複数人補正の参考になる。
勿論、参加せずに攻撃する事も出来るが、その場合は討伐報酬は貰えない。途中参加も可能ではあるが、そこはプレイヤー同士のモラルやマナーの問題だろう。
そして逆もまた然りだ。プレイヤーが参加を選択していなくても魔王から攻撃を仕掛ける事が出来る。
そこら辺のスライムが後ろから飛び跳ねてくるのと同じ原理だ。
ただ、アナウンスがある以上不意打ちは絶対に出来ないのが少し辛い。
その場合、相手は逃げる為にログアウトする事も出来るし、アイテムを使って遠くに行く事も出来る。
が、今の局面ならばその心配は無いだろう。
景気よく行くぜ
俺は持ってる魔力の半分を込めてスピード重視の火球を放つ。
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