僕達の話し 凛side
僕は、凛。甘夏凛だ。甘夏財閥の息子。そして父である甘夏榑《人、弟である甘夏憐がいる。
この前、華美嘉神奈と言う女の子のと知り合った。華美嘉財閥のご令嬢。金髪に茶色の瞳の少女だった。
彼女との出会いは、華美嘉家主催の華美嘉神奈嬢本人の誕生日パーティーだ。
彼女の第一印象は、ただ見た目が良い令嬢。どうせ自分達の見た目と家柄しか見ない馬鹿だと思っていた。
でも、挨拶が終わって。
「よ、よろしくおにぇが、お願いしましゅ、お願いします」
噛んだ。思わず僕は
すると、神奈嬢は、顔を真っ赤にし、涙目になっていた。
「あぁあ、噛んだ事はわしゅれてぐたしゃ、また噛んでしまいました」
泣きそうになった時、彼女は急に顔を引き締めてキッパリと言った。
「それは、忘れて下さい」
余りにもあっからかんと言った。
この時点で少し、彼女に興味があったかもしれない。
父上が肇様の屋敷に行く事を約束した。僕にとってはラッキーだった。
憐は、半分驚いて半分呆れてた。
彼女の屋敷に行く日になった。肇様達に迎えられた。とても暖かいものだった。
ミリアナ様がこの後僕達はどうするか聞いてきたので、僕は神奈嬢とご一緒しますと返した。驚いてた憐に笑顔で承諾させた後、神奈嬢は驚いた顔をしていた。そして父上達は、部屋を去った。
父上達が部屋を去った後、憐が耳元で聞いてきた。
「おい凛、どうゆー事だよ」
「彼女がどんな人物か試すだけ」
「お前なぁ」
憐は、呆れた声で言った。
「想い描くの。懐かしいあの頃を。みんな笑って、楽しい日々を。今は、無理でも想い続けるの。元気ですかと。私は元気ですと。どうか、届いて。空を渡って。みんなの胸に。春風に揺れるこの夢の花に託して。–––––––––Dream flower」
歌が聞こえた。透き通って、凛として、美しい歌声だった。この歌は、【Dream flower】有名な曲でとても難しいとされている曲だ。歌っているのは––––––––––––––––––
神奈嬢だった。歌の才能とは、天性そのもの。生まれつきのものだ。
彼女の歌を聞いたら、涙が
試すなんて馬鹿だ。彼女は、美しいじゃないか。彼女の魂そのものが。存在が。証拠に歌声がそうだ。かつての【伝説の歌姫】のような、万人を魅了する、美しく、優しい歌。
神奈嬢は歌い終わると、僕達の方を見て驚いた。憐も僕と同じだったみたい。神奈嬢は、優しく暖かい微笑みを浮かべた。
余りの優しさに、僕と憐は泣きじゃくった。
そして僕は、生まれて初めて恋に落ちた。
美しい、歌姫。どうかその歌を世界に広げて。輝く金髪に茶色の瞳の歌姫。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます