第10話 あねもね

インターホンが鳴った。

どうせすべて話して協力を依頼するのだからと、特にワンクッションもおかず、玄関を開け、放心状態の姉に説明を始めた。女日照りの弟の家に久しぶりに会いに行ったら、知らぬ間にできた彼女が出てきて、戯言たわごとを言い始めた。くらいにしか思ってなかっただろう。

「じつは…こういう顛末でね」

ふじょ…漫画オタクの姉だから免疫があるだろうと思っていたが、全然そんなことはなく、しばらく放心して聞いていた。終始無言だった。


小さなテーブルをはさんで放心状態の姉。

ギョロっとした目を見開いて俺の身体をマジマジと見つめていた。


突然、ハッと我に返ったように発した言葉

「パイオツ、カイデー…」


は????カイデー???


テーブルを乗り越えて胸ぐらをつかまれた。

「なにこれ!私よりある!」

「は?なにそれ。ふざけんな」

姉よ、オマエモか…

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