第2話 めがね
話は3日前にさかのぼ……りたいところだけど、実際には3分だ。
3分前、バイト先であるBarの閉店作業をしていたらカウンターの上にメガネの忘れ物があった。たしかキレイめのねーちゃんが座っていた気がする。忘れ物自体はそう珍しくもないのだけど、メガネってどうなのよ。
これ無いとちゃんと見えないんじゃないの?どうやって帰るのよ。酔っ払いこわっ。
と思いながら手に取ってみると不思議な色のフレームが目についた。虹色というか角度を変えると違う色に見える。それだけならまだありそうな素材なのだろうけど、何か動いてるんだよね。ラメみたいなのがにゅる~って。
「なんだこれ~!?」ってちょっと興奮して、いろんな角度から見てみたんだけど、やっぱ動いてる。だんだんテンション上がってきて、そういえば忘れていったおねーちゃん色っぽかったなぁとか考えてたら、かけてた。メガネかけちゃってたね。
なんか物凄く度ぎついレンズで頭クラクラするくらい。実際立ち眩みした。
「おぉおおおぉぉおお…?」本当に倒れそうになってこれはヤバいと思ってカウンターにしがみついてた。この間、多分1分くらいだったから本当にヤバかったのかもしれない。なんとか体制を立て直して一息つくと、カウンターのバックにある鏡に見慣れないシルエットがあった。どうやら彼女が忘れ物をとりにきたらしい。
人様のメガネを勝手にかけて悶絶するという痴態を見られたかもしれないというのに、何故か怒りが込み上げてきた。
閉店後で鍵かけてんのに勝手に入ってきてんじゃ…
あれ?なんで入れるの?
ハっとして後ろ振り返ると…
誰もいないんだ…
嘘だろ…と思いながらまた前を向いて鏡をみたら…やっぱいる、彼女が立ってる。
もうホラーだろこれ。
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