夏みかんツアー〈錬金術研究所編〉

すだちは〈錬金術研究所・フラム支部〉を見て

「なんか小さいね」

「それは仕方ないよ、冒険者ギルドはほぼ全てのプレイヤーが使う施設だけど、ジョブギルドはそのジョブに就いているプレイヤーしか使わないからね」

「そうなんだ」

「じゃあ行くよ」

夏みかん達は〈錬金術研究所〉に向かって歩き出した

カランカラン

中に入ると

真ん中にカウンターがあり、左隣には売店があり、右隣には掲示板のようなものがあった

夏みかん達がカウンターに近付くとカウンターに座っていたエルフの女性が微笑みながら

「ようこそ〈錬金術研究所・フラム支部〉へ」

女性が夏みかんを見ると固まり

ゆっくりと立ち上がった

「もしかして、アイドルの夏みかんさんですか?」

「そうだけどってもしかしてフィアラさん」

「はい!夏みかんファンクラブ会員No.65フィアラです、覚えてくれたんですか」

「まぁね、女性のファンは少ないからね」

「嬉しいです、実は今日夏みかんさんゲリラライブがあると聞いて休もうと思ったのですが、上司から許可を貰えず落ち込んでいたんですけど、生夏みかんさんに会えたので休まないで良かったです」

フィアラはグイっと夏みかんに顔を近づけた

「そう言われると嬉しいよ、ありがとうフィアラ」

夏みかんがニコッと笑うとフィアラは頬を赤らめ顔を話した

「あの夏みかんさん」

「なに?フィアラ」

「握手していただいてもいいですか?」

「いいよ」

夏みかんが右手を差し出すとフィアラは両手の汗を服で拭き、両手で握った

「ありがとうございます、一生ファンでいます」

フィアラは名残惜しそうに手を離すと

「でっ今日はどういった御用ですか?もしかして転職ですか?」

「残念だけど違うよ」

夏みかんはすだちを前に立たせ

「そちらの方は?」

「私の妹で錬金術師だから登録しに来たの」

「そうだったんですか、どうぞこちらへ」

すだちはカウンターの前に立った

「初めまして、私は〈錬金術研究所・フラム支部〉の所員で受付全般を担当させていただいています、フィアラと申します」

フィアラは頭を軽く下げた

「初めまして、すだちと言います、よろしくお願いします」

「それでは、まずギルドカードをよろしいですか?」

「はい」

すだちはギルドカードを取り出し、フィアラに渡した

「お預かりいたします」

フィアラは受け取ったギルドカードを透明な板の上に置きパソコンの様なものを操作しだした

「登録完了致しました、ギルドカードをお返しします」

フィアラはギルドカードをすだちに返した

「早いですね」

「基本情報はギルドカードの中に入っているのでそれを読み込むだけですから」

「そうなんですか」

「はい、こちらをどうぞ」

フィアラは一枚のカードと青と黄色の紙をすだちの前に置いた

「これは?」

「こちらのカードは〈錬金術研究所〉に所属していることを証明するものになります」

カードには黒で〈錬金術研究所〉と書かれていた

「裏面をご覧ください」

すだちはカードをひっくり返した

「そちらにはすだち様の名前・ランク・ポイントが書かれています」

「ポイントって何ですか?」

「はい、説明させていただきます、こちらをご覧ください」

フィアラはA4サイズの〈ポイントについて〉と書かれた紙を一枚置いた

「〈錬金術研究所〉の売店で100R毎に1P加算されます、1Pを1Rとしてお使い頂けます、有効期限はございません、その他詳しい内容はそちらの紙に書いております」

「わかりました」

すだちはカードと紙をアイテムボックスに仕舞った

「続いては」

フィアラは青の紙に初回登録と書かれた方を指差し

「こちらは初回登録の記念品の交換用チケットです、売店で交換させていただきます」

「わかりました」

「続いて、こちらは〈錬金術研究所〉の売店で買い物の合計金額が半額になるクーポンでございます、有効期限はございません」

黄色の紙には50%OFFと書かれていた

「ありがとうございます」

「最後にこちらをお渡しいたします」

〈錬金術研究所の掟〉と書かれた本を置いた

「こちらは〈錬金術研究所〉のルールが書かれています、よくお読みください」

「わかりました」

すだちは本とクーポンを仕舞った

「以上で終了ですが、他にご質問はございますか?」

「大丈夫です」

「それでは、誇りある錬金術師になってください」

フィアラは頭を軽く下げた

すだち達は売店へと向かった


フィアラ

〈錬金術研究所〉の所員で受付業務を全般請け負っている

夏みかんの大ファンで夏みかんの新作グッズは必ず買っている

仕事には真面目で例え夏みかんがいても冷静に業務をすることができる

猫の獣人の親友がいる




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