説教

そこには洋服があった。

「さて気にいる物あるかしら。なんせ歳が離れているから。無いかもしれないけど。何個かあげる。まったくあの阿呆黒乃さんの衣服代節約してるんじゃないよ。こんなに美人なのに。勿体無い。宝の持ち腐れね。」

「はい。…えっとですね。あ、これとかでも高そうなのでやめます。」

私が選んだのは綺麗な柄の着物だった。

「良いよ。似合うんじゃない。」

「お礼はなんかできますか。」

「お礼はそうね。…あの阿呆神の堕落している話。私が叱り甲斐があるやつ。さっきもらったか。」

「ありがとうございます。」

「良いのよ。お礼なんて。」

「さてともうそろそろ阿呆神が茹で上がり始めるから、説教文考えないと。」

そうして私たちは、阿呆神を、待っていました。

「黒乃入って。俺は寝るぞ。」

「ちょいまち。雨寺あんたは私と話しましょうか。夜明けまで。」

「久しぶりの、お風呂ありがとうございます。八雲様。」

「違う黒乃訂正しろ。」

「何も間違ってません。」

「これはどういう意味で。あんたねいくらなんでも金がないってケチってはいけないところあるよ。」

と引きずられている雨寺様が面白かった。

「黒乃様女神様神様どうかこれだけはご勘弁。あーー痛い痛い。」

ドーンと雷が落ちた声がした。説教三時間セットの始まりかな。

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