第11話お出かけ準備

 起きると時刻は十一時過ぎになっていた。


 今度は三玖さんからの連絡が来ていた。


 鬱な気持ちで携帯を手に取りメッセージを見ると


『昨日はありがとね〜でさ次はどこ行こっか?』

 と来ていた。


 切り替えが早すぎるとつくづく思う。

 かといって俺も出かけるのが嫌というわけでもなくむしろ楽しみだ。

 ただ特に行きたいという所は思い浮かばなかったので『三玖さんの行きたいところで』と返しておいた。


 返した三分後にはまた返信が来ていた。


 女子高生暇なの?とは思ったが誰にも言わずに心にしまっておくことにした。


 三玖さんからは『プールに行きたい!』と来ていた。高校に入ってからは水泳の授業がなかったので、買いに行く必要があった。


 正直めんどくさいとは思ってしまったが、三玖さんはモデルだ。スタイルはいいし。出るところは出てて引っ込むところは引っ込んでる。まさにモデル体型といった感じなのだ。そんな人の水着姿ともなれば男なら一度は目に焼き付けておきたいものだと思っても仕方がないだろう。


 そして三玖さんはプールへ行く約束取り付ければすぐに予定を伝えてきてくれた。準備がとてもよろしいことで。日時や場所まで指定されている。


 こうなって来るともうそれは三玖さんの手の上でコロコロ転がされているような感覚さえを覚えてしまう。


 だが、そんなことも忘れそうになるほどたのしみでもあった。三玖さんとは仕事で会ってそのままそのまま「どこかに行く」みたいな流れはあったが、完全なプライベートで会うのはこれが初であるのだ。張り切ってしまうのは仕方ない事だと言えるだろう。


 そんなことを思いながらネットで水着を吟味していた。

 翌日には調べておいた水着を注文した。

 配達って便利すぎると思う。しかも速い......

 便利な世の中になったなとオヤジくさいことを考えていたらいつの間にか時間も時計の針も半周仕掛けていた。まるで歳でもとって時間の経過も早くなったような感覚だった。

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