#43 【コラボ】念願叶ってあの人とコラボするよ【十六夜桜花/あるてま】
【コラボ】念願叶ってあの人とコラボするよ【十六夜桜花/あるてま】
14,448 人が視聴中・十六夜 桜花 チャンネル登録者数 73,201人
#夜桜見物
「やあ、今日も月が綺麗だね。あるてま2期生の十六夜桜花だよ」
:こんばんわー
:今日も月が綺麗!
:ついにこの日が来てしまいましたわね…
「そうだね、遂に来てしまったよ。黒猫さんとのコラボの日が……ッ!」
:コラボしたいって言ってたもんね
:黒猫「共演NG!」
:あの猫好き嫌い激しいからしゃーない
「なかなか心を開いてくれないところも猫っぽくてボクは嫌いじゃないけどね。じゃあ早速だけど本日のゲストを呼ぼうか。黒猫さ-ん?」
「こんにちわ、終理永歌です」
「終理さん!?」
「ひどいですよ、十六夜さん。私もコラボするのに、忘れるなんて」
:おいw
:ははぁーんさては黒猫以外見えてないな?
:コラボ相手置いてけぼりはアカーン
「ご、ごめんね終理さん。別に忘れていたわけじゃないんだけど、その、ね?」
「別に、気にしていないので構いませんよ。まあ、観測者は一度受けた仇は、二度と忘れませんが」
「うーん、どうにか機嫌を直してもらえるよう配信で頑張らせてもらうよ」
「ふふ……」
:おわいざ?
:Vオタク何でもてぇてぇ言いがち問題
:うるせぇ!画面に映ればてぇてぇなんだよ!
:てぇてぇってなんだ…?
「……帰っていい?」
わたしは通話越しに何を聞かされているんだろうか。
陰キャの第一声って呼ばれないと自主的に発言できないんだよ? なんで終理永歌先に出たの??
「あ、黒猫さん」
「ふふ、恥ずかしがり屋の猫さん、ですね」
「呼んでおいてこの仕打は流石の私も衝撃を隠し切れない。いつでも帰る準備はできているが?」
「ごめんごめん、ほら、機嫌直して?」
「コイツさっきからご機嫌伺いすぎでは?」
「どうして、なんでしょうね?」
:お前らのせいじゃい!
:いや自業自得では?
:女の子全員に良い顔し過ぎなんだよなぁ
:ジゴロじゃん
あまり関わらないようにしてきた十六夜桜花だが、普段の配信では落ち着いた配信をしているようだ。
よくリスナーへ甘い言葉を吐いたり、女の子を可愛がったり。
お前はどこの百合漫画から出てきたキャラだ、と言いたくなる性格をしている。
十六夜桜花って設定超えて素でコレなんだからたちが悪いよね……。
「ほら、今日の内容をリスナーの皆に説明しようよ。ね?」
「十六夜がコラボコラボって煩いのでコラボしました」
「なんだか黒猫さんが、悲しげに観えたので、付いてきました」
「完全にボクが悪者の流れだね。まあいいけどさ」
:桜花ちゃん…
:まあ元気出せって
:自業自得だもんな!
:フォローの言葉が浮かばないねぇ
「はい。で、今日の配信内容なんだけど、マリオカートでもしようかなって」
「十六夜桜花ってゲーム配信多いよね」
「結構得意だからね」
「私は、あまり対戦系のゲームが得意ではない、ですね……」
「一応視聴者参加型でやろうかなって思ってるから、後でID貼るよ」
:視聴者参加マ?
:今からスイッチ買ってくる
:どこも売り切れてるんですけどぉ!
:取り敢えず通販ぽちった
事前に聞いていたので準備は整っている。
マリオカートは説明不要のレースゲームだ。
実機さえあれば気軽に視聴者も参加できるので、Vtuberの中でも人気配信の一つになっている。
「部屋のIDはまずディスコに貼るね。で、2人が入ったら配信の方にも貼るよ」
「ん」
「これで、良いのでしょうか?」
「オッケー、じゃあリスナーの皆も入ってきていいよ」
:のりこめー
:今日は燦ちゃんをボコボコにしていいんですか!?
:そこには黒猫さんの背後をピッタリ追走する十六夜の姿が!
:ホラーNG
「余裕で私が一位取るから余裕なんだが? ヨッシーもらい」
「余裕で余裕……? 語彙力が、足りてませんね。キングテレサ、惹かれます」
「黒猫さんのそこも可愛いよね。リンク使おうかな」
「十六夜桜花は可愛いって言わないと死ぬ病気?」
「いやいや可愛いから可愛いって言ってるだけだよ。それとボクのことは桜花でいいよ?」
「ざよい」
:www
:ざwよwいw
:なかなかクールなあだ名来たな…
:十六夜さんあだ名貰ってちょっと満更でもなさそうなの草
「コースは……レインボーロードか。終理さん大丈夫かな?」
「レインボーロード、他の方の配信で観たことあります。多分、大丈夫だと思いますけど……」
レインボーロードは以前に比べると改善されているとはいえ、簡単にコースアウトしたり妨害が随所に設置されていたりと初心者泣かせのコースだ。
これは勝ったな!
ピッピッピッというカウントと共にロケットスタートへ備える。
:爆発期待
:ミスれ、ミスれ…!
「いや流石にロケットスタートぐらい出来るけど」
「ロケット、スタート?」
「あぁ、終理さんが置いてけぼりだ。まあ勝負は非情なのでボクは遠慮なくプレイするけどね」
:ざよい2位黒猫4位終理12位
:順位助かる
:1位の人他の配信でも見る有名な人だね
:ざよいさんはゲームうまいよね-
:黒猫さんも下手じゃないんだけど、まあ、ね
:運は良いんだけど運が悪い
:配信の神に愛されてるから…
「今日の黒猫さんはどんな芸を見せてくれるのか楽しみだね」
「芸とは言ってくれるな!?」
「あぁ、アイテム、取れませんでした……」
「終理さんドンマイ。あ、1位もらい」
「バナナしか出ない……」
そんな感じでコースアウトすることもなく、無事に最終ラップを迎える。
現在の順位はざよいが1位、わたしが3位で終理永歌が11位だ。
「段々、操作感が解ってきました」
「終理さんは飲み込みが早いね。普通は上達にもう少し時間がかかるんだけど」
「おーいーつーけーなーいー」
:上位がうますぎて3位の黒猫さんでも突き放されてるな
:安心しろ、ここからだ
:あ、黒猫コースから落ちた
「誰だ赤甲羅!? あ、あ、ちょっとみんな追い抜かないで」
「あ、黒猫さん抜きました」
「やったね終理さん」
「やってないが!? あ、バナナで、ちょ、キラーで轢かれて、あうぁー!?」
「さすが黒猫さんだよ」
なんでなんでなんでぇ!?
さっきまで順調に3位だったのになんか12位になってるんですけど!?
えぇ……。
:さすが黒猫さんだよ
:さすくろ
:ほんと期待裏切らないね
:ここ切り抜き上がりそう
「やめろよ! まだ挽回でき」
「もう皆ゴールしたよ」
「にゃー!?」
「わぁ、6位、嬉しいです」
「おめでとう終理さん。ボクは最後に抜かれて2位になっちゃったけど皆と走れて楽しかったよ」
:おつかれさまー
:一緒に走れて楽しかった
:次こそは入れると良いな
「じゃあ一旦さっきの人は抜けてもらって、次の人どうぞ」
「マリカってクソゲーか……?」
「たまには、こういうゲームも、良いものですね」
「負ける黒猫さんも可愛いよ」
「うるさい」
はぁ……まあ、たまにはこういう時もあるよね。
気を取り直して次へ行こう。
「ベビィパークか。シンプルなコースだね」
「シンプルな分、奥が深い、というものですね」
「小細工なしの実力勝負」
:※ただし運は絡むものとする
:あっ、結末が解っちゃいましたよ
:しー、本人勝てる気でいるから
:夢ぐらい見させてあげよう
「勝つんだが? コースアウトもないし余裕なんですけど?」
「じゃあ黒猫さんが6位以下なら今度オフデート配信でもしようか」
「後ろから観てます、ね」
「やらないよ!?」
とかなんとか雑談に興じていると、いつの間にかレースがスタートしていた。
ざよいと終理永歌はちゃっかりロケットスタートを決めていたようで、出遅れたのはわたしだけに。
:既に始まっている心理戦
:永歌ちゃんロケットスタート出来てえらい!
:十六夜1位終理5位黒猫12位
:順位助かる
「ま、ままま、まあ順位低いほうがアイテム強いし? ガチ勢は最下位スタートとかよくするし?」
「配信者としてはどうかと思うけどね?」
「でも、黒猫さんのアイテムは、奮わないみたいですね」
「あー、んー、まあ、まあまあ、ここからここから」
7周あるしね?多少はね?
あれ、今回みんな強くない?
あれあれあれ?
:十六夜1位終理7位黒猫10位
:全体的にみんなうまい
:これが黒猫さんの実力ってことか…
:グッバイ猫ちゃん
「いやここからだし! ほらキラーきた!」
「けどキラーってその順位でこのコースだとあんまり強くないよね」
「後ろに黒猫さんが、観えます」
「ぐぬぬ、赤甲羅でも喰らえ!」
「ごめんなさい、緑甲羅、持ってました」
「なんで甲羅ガード知ってんの!?」
「観たこと、あるので」
「はいゴール。今回は1位だよ」
「どうにか、5位まで上がれました」
「なない……」
あれ、わたしってマリカこんなに下手だっけ?
いやいや皆が上手いだけ……終理永歌って初心者じゃ?
「皆お疲れ様。今回も楽しかったよ」
:おつー
:十六夜さんつよいねー
:永歌さんも上達が早い!
:燦ちゃんも下手ではないんだけど色んな意味で運に愛されてるせいで…
「こんな愛され方はいやだ……」
「で、黒猫さんは6位以下になったわけだけど」
「デート配信、決定ですね」
「やらないが? 了承してないが?」
「そっか残念」
お?
「意外と簡単に引き下がるな?」
「猫は構いすぎると良くないって聞いたんだ。押してだめなら引いてみろ作戦、ってね」
「言ってる時点で無駄では……?」
「けどこうやって黒猫さんと沢山お喋りが出来てる」
「うぐっ」
:いざくろ?いざくろ?
:もう実質デート配信じゃん
「あーうー、次やろ次」
「そろそろ3位入賞、したいですね」
「取り敢えず半分以上上に入りたい……」
「黒猫さんと走れるなら何位でもいいよ」
「私もいるんですけど、ね」
「終理さんも忘れてないよ!?」
「いえいえ、私は観る側ですので。お気になさらず」
「私が気にするんだよなぁ!」
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