208日目-④

勇者になって【六十九日目】

ガーゴイルが事前に仕込んでいたトラップ魔法は見事に敵兵の足を奪った。

しかし、多勢に無勢ではトラップ魔法も焼け石に水。

『これじゃトラップ魔法もすぐに突破されるな。じゃあ次行きますか』

『はい、準備は万端です。魔王の魔力が底をつかなくて良かったですね』

『ヘロヘロですけどね』

『ガーゴイルさんの"創成山王そうせいさんおう"の先に彼らには待ち構えてもらいました』

『そりゃいい。びっくりするだろな』

敵兵も少しづづ、トラップ魔法をくぐりぬけ『ニッ国』を目指し再び駆ける。その足を再び阻む者がいた。

――奇々怪々の妖。

妖と魔王の契約により妖は魔王が敵とみなす敵全てに襲いかかる。

敵兵のあちらこちらから悲鳴が聞こえ始めた。

『まあ、魔力を吸うだけだからなくなっても死にはしないよ』

再び、魔王軍は優勢となった。

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