208日目-③

勇者になって【六十九日目】

皆が持ち場についた。

自分も寄り道せず『ニッ国』の東に無事着いた。そこは隣国する『イチ王国』と『サン王国』がうっすらと見える場所だ。

『もうこんな近くまで来てたのか』

兵の数はざっと数万人。その上兵器や危険生物を駆り出してきている。

『全軍突撃!!!!』と敵の大将が叫んだ。

兵は濁流のように襲ってきた。

『こちら魔王、ガーゴイル準備良いか?』

遠く離れた屋敷の中にいるガーゴイルの頭の中に直接語りかけた。

『問題ねえですだ。いつでも大丈夫で』

『よっしゃ、いっちょ派手にいくか!!』

ガーゴイルのトラップ魔法が地面から発動した。

"創成山王そうせいさんおう"――途端に地面が暴れだし、敵の兵の進撃を阻んだ。

『大成功だガーゴイル。これは使えるな』

ほかの西南北からもトラップ魔法が見事に発動し、初手はこちらが優勢となった。

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