203日目-②

勇者になって【六十四日目】

外を歩くと一番に目に映るのは崩落した城だ。将軍は『また建てればいい』と言ってくれので気が多少は楽にはなった。でも悪い気しかしない。

『……申し訳ないことしたな』

現在進行形でガーゴイルが再建してくれている。

将軍と自分の話しを聞いていたガーゴイルが任してくれと言って、再建に乗り出してくれた。どうせなら前回よりもっと大きくすると言っていた。スゲー前向き。

ガーゴイルに顔を出した後は、街をふらふらしていた。一昨日までここら一体でドンパチやってたのに町には活気と賑わいが戻っていた。

『……この国の人達は心が強いな』

『だろ?あんなもんじゃこの町は逃げやしないさ』

独り言を聞かれたようだ。恥ずかしいな。

『……あんた誰?』

『あら、ごめんなさいね。ウチはここらで商いやってる者さ。『国里』って茶屋なんだけど暇だったら来な。おまけつけてあげるから』

そう言って、女の人は走ってどっかに行ってしまった。

茶屋か。いいね、行ってみるか。

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