105日目

『そうでしたか……』

姫様に勇者の容態を伝えた。そして自分が彼の記憶を奪ったことも伝えた。

『すみませんでした』

『謝らないでください。彼が弱かったことが原因なのです。でも……その、彼が生きててよかったぁ』

勇者のことが初めて羨ましいと思った。もう少し平手打ちが強くても良かった気がする。

『彼の記憶が戻るまで彼を魔王城においてもらってもよろしいでしょうか?』

どういうことだろうか。

『勇者が魔王に負けて、その上記憶を奪われたなんてことは秘密にておきたいのです』

なるほど、さすが勇者の嫁。間違えた。さすが姫。

勇者を預かることになった。

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