80日目

勇者来ない。

黒龍の体が中々大きいので治療は半日に及んだ。龍にここまで深手を負わせるって勇者も本気なら強いのかな。

『寝てる所をザクって襲われた』

勇者姑息だな。おい。

なんだかんだでペンキも落とし、彼は元気になった。

『青年よ、助けられた。お礼がしたい』

青年ね。お礼って言われてもな、そうだね。

皆の誤解を解いて欲しい。

アンタの生きてる姿を皆に見せつけてくれ。

『具体的に何をすれば』

飛び回って。ついでに叫んで。

『承知』

黒のペンキを被っていた―白色の聖龍はお願いを聞いてくれた。良い奴だな。

疲れたので聖龍の背中で寝させて貰うことにした。

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