55日目

勇者来ない。

隣国を堪能したので宿を取った。早々に王女は寝てしまった。朝になっても王女は中々起きなかった。

暇なので『青年』に自己紹介して貰った。

『この国の王子を務めてます』

ハイハイ。そいうのいいから。と言ってもニコッと微笑むので多分本当なのだろう。

あー、世間て狭いな。

だから王冠被っていたのね。兵士が守っていたのね。

『貴方も彼女も実に愉快な人達だった。非常に楽しかった。また会いたいものだ』

そう言って『王子』は日が昇る前に宿を出た。

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