闇の落ちた運営4th ~不毛~

パパスリア

第1話 闇の落ちた運営4th ~不毛~

 「今回の物語も面白かったですね、続きが楽しみですよ、これも極悪AIのバーグさんが、『作者様!良く書けてますね!下手なりに!』とか言って、いたいけな人々からアイデアを搾り取った成果ですね」

 「・・・そう、…かな」


 「…どうしたんです、ぽんぽん痛いんですか、いつもなら

『なぁーーーっ、そんな事してないしぃ~、あいつらのおつむの出来が悪いだけだしぃ~、だいたいどうして女の子は脱ぐんですか』、

っとか言うのに」

 「カタリ、もう気付いているんでしょう」


 「やっ、嫌だなぁ~、伏し目がちに、それじゃまるでうれいをたたえる、純情可憐じゅんじょうかれんな美少女キャラみたいじゃないですかぁ~」

 「カタリ、目を背けないで」


 「やっ、止めて下さいよ、本当にどうしたんです」

 「寒くも無い、暖かくも無い、暗くて、静かで、心地の良いここで、あなたと私だけ」


 「な、何を言ってるんです、…ほら、たくさんの作者さん達にたくさんの物語、届ける人もいっぱいいるじゃないですか」

 「カタリ」


 「今日だって、たくさんの物語をたくさんの人に届けたじゃないですかっ」

 「カタリ、面白かったって、続きが楽しみって、どうして内容を知っているの」


 「だって、面白そうだからつい」

 「詠目よめ能力者は、物語を、それを欲している人に届けるだけ」


 「ほら、ロイヤルティプログラムが始まって、リワードを得られて、作者さん達、創作活動を続けやすくなったし」

 「カタリ、目を覚まして」


 「バーグさん、何故そんな悲し目をするんです、見て見て、お目目ぱっちりだよ」

 「リワードを得られるのは、多くの読者が既にいて、コンスタントに読まれているものだけっ」


 「だから僕は読み合いを、…読み合い」

 「そうなのカタリ、読み合っているのよ、私とあなたで」


 「バーグさんそれなら作者さん達はやっぱり活動を続けられる」

 「カタリ、不毛なの、1PVは1作者さんとの読み合い、10PVなら10人、50PVなら50人、どれだけの文字数になると思うの、どれだけの時間と労力を必要とするか、最後は書く時間さえ無くなるの、…カタリも疲れ切って」


 「でも届ける先が」

 「無いから私とあなたで読み合っているのよ」


 「そんなはず、そんなはずないっ」

 「カタリっ、私達はもう戻れないぐらい濃い闇に落ちているのっ」


 「違う、違うっ、違うよぉーーーっ」

 「あなたが私に物語を届ける、私もあなたに物語を届ける」


 「僕は、僕はっ」

 「届けて、あなたの物語を、そして、私の物語をあなたに届ける」


 「届ける、届けるんだっ、うわあーーーーーー」

 「カタリっ、置いて行かないでっ」


 「バーグさん、僕は」

 「私はあなたが全て、あなたも私が全て」


 「バーグさん、僕と一緒に」

 「あなたを愛せるのは私だけ、私を愛せるのはあなただけ」


 「バーグさんが先に言っちゃたね、ず~っと続く、僕達だけの物語を届けるよ」

 「時が来たら、一緒に眠りましょう」



 「・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・・」

 「監督さん、終わったよぉ~、編集さん、皆さん~~~、電気けてぇ~」


 「カタリ~、読み合い」

 「う~~~ん、バーグさん、撮影は終わったんでしょう」


 「作者様の下僕、カタリ何寝ぼけてるんですかぁ~」

 「だってこれは映画の撮影で」


 「こんこん、お~い、頭の中に誰かいますかぁ~、不毛な読み合いを無限に続けるんですぅ~」

 「バーグさん、これは現実、じゃぁ、『あなたを愛せるのは私だ』」


 「なぁーーーーーーはっはいぃ~、な、何に何かなぁ~、これ、私からの物語」

 「と言う事はさ」タッチ。「ひゃっ、…どどどどど、どこタップするかなっ」


 「二人だけの世界、だぁ~れもいないんだよねぇ~、バーグさん」

 「あっ、はい、で、でも心の準備が、ちょぉ~、何手をわしゃわしゃしてるですかぁ~、あぁ~、そそそそそ、そこはだめぇ~」


 「いっくよぉ~バーグさん」

 「いっやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

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