非日常奇譚/絞殺欲求・十二支編
柊木 渚
始まり
【始まり】00
嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
「今日からこのクラスで一緒に学ぶ事になる大城 白野君だ」
なぜここに?
いやそもそもなんでそんな平然として居られるんだ。
「お、
教室に居る各々が形式上の拍手をする中、彼女だけはこちらに笑みを浮かべるだけだった。
「それじゃあ大城君は
先生が指した空席の場所を確認し、怯えながらも僕は空席へ歩みを進める。
「よ、よろしく」
彼女を見ているだけで昨日の映像がフラッシュバックして吐き気がこみ上げてくる。
必死に平静を装いながら彼女を見て一礼し「よろしく」と挨拶をする。
「うん!これからよろしくね」
昨日見た光景が嘘のようにも思えてくる程に彼女が見せる柔らかな笑みは純粋を敷き詰めて出来た様に妖艶なものだった。
未だ鮮明に記憶として脳裏にこべりついて忘れられない光景。
隣りの席でこちらに明るく振舞う彼女、霧縫さんが男性を殺している光景―――
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