僕は運が良かった
しかし僕は運が良かった。上述の通り、たまたま中学の時に演劇に出会えた。たまたま演劇部がある学校が家の近くの進学校で、たまたまそこに入学できる学力があった。そして僕は演劇部の仲間たちや、今までとは比べ物にならないくらい良い先生方に出会えた。
しかし、弱みを見せられる場所に来たからだろう。僕は精神的に非常に不安定になった。仲間の1人に依存してしまった。自傷行為もしたし、運良く通えるようになった病院で処方された薬を大量に飲んだりもした。授業など、まともに受けられていなかった。
それでも仲間たちは僕を支え続けてくれた。ただの高校生でしかない仲間たちにとっては苦しいことだったと思う。腹立たしかっただろうし、投げ出したくもなったと思う。
だけど彼らは僕が言われ続けてきたように僕を諦めたりはしなかった。
一番近い場所にいたのに、僕が考えていたように僕を嫌ったりしなかった。
むしろ自分も落ちてしまうかもしれないのに、そんな危険をものともせず、僕が落ちた暗いどん底に、手を伸ばしてくれた。
僕は仲間たちに救われた。
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