僕は運が良かった

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僕の身に何が起こったか

小学校中学校と、いじめとして問題になるほどではないものの、イヤな思いをし続けてきた。仲の良くない人間だけでなく、友達だと思っていた人間は今思うと全く仲良くなどなかった。吹奏楽部に入っていたが、唯一の同じパートの人間はとことん僕を嫌っていた。近くにいる人間に嫌われ、逃げられることは僕にとっては当然のことだった。それがおかしいことだと理解出来ても。

僕にとって同じ学校にいるのは何もしてくれない空気か、汚くて害のあるゴミのどちらかだった。大人たちは何もしてくれない癖に偉そうで、皆口を揃えて

「そういう奴のことは諦めなさい」

とだけ言った。嫌なことがあり過ぎたせいか僕にはその時代の細かな記憶が殆どない。

僕が小学校と中学校で得たものは、「自分の近くにいる人間は皆僕を嫌う」といった歪んだ考え方と自己否定、高校に入って発症した精神病、そして唯一の救いである演劇との出会いだけだった。

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