ケダモノ!
窓から光が差し込んできた。明るい日差しで目が覚める。
「んん、朝か・・・・・・・」目が覚めると見慣れた部屋の中であった。
大きく欠伸をして手を下ろした先に柔らかく暖かい手触りを感じた。 こんな感触は感じたことがない初めての感覚であった。
響樹がゆっくり手の先に目を向けると、そこには
「えっ!」響樹は自分の体を見た。 あの大きな胸は無くなっている。見慣れた相棒が定位置にふんぞり返っている。結論、大変見慣れた男の体に戻っている。こんなとこ見つかったら殺されるのではないかと彼は恐怖を覚えた。
「う、ううん」勇希が目を覚ました様子である。 彼女は、可愛いらしい欠伸と伸びをしながらゆっくり起き上がる。
「・・・・・・・」響樹はベッドから反射的に飛び上がり壁に張り付いた。
彼女は気持ち良さそうにもう一度伸びをした。
「おはよう、響樹君・・・・・・・あれ?」勇希は異変を感じた。
目の前に響樹の姿、彼も元の姿に戻っている。
喜びで一瞬顔に笑みがこぼれた・・・・・が、自分の体を見て目を見開く。
「いやー!! なんで!?」慌てて掛け布団で体を隠した。
「い、いや、俺は何も・・・・・・触っていませんから!」響樹は右手を見つめながら弁解した。
「やっぱり、・・・・・・ケダモノ!」勇希は、顔を紅潮させて激怒して手元にあった、目覚まし時計を投げつけた。
「ちょ、ちょっと・・・・・・・助けて!」響樹の絶叫が部屋の中に響いた。
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