第2話うるせえはしゃぐな
はしゃぐなうるせえ
2020/03/20
欲しかったゲームを手に入れた。だけど家にやってきた宇宙人のせいでたいして遊べなかった。
コンビニにURUがいる。千円とチョコを持って並んでいる。たださえ今日いるのが珍しいのに、
「これください」
低音ボイスを発した。店員も僕らも別の誰かだと思った。焦りながらも対応する店員。コンビニ内には僕の他にも女子高生やらおじさんがいて、ざわざわとしてきた。外も騒がしく、ダダダっとガチャガチャとコンビニの入店音がする。
「らっしゃ、」
条件反射のらっしゃせー、が止まる。
「皆動くな」
重装備の軍人のような人とスーツの人だ。銃ではない。ロープや網や袋など何かを捕まえるためだ。何をかもわかった。
「ち、もう来やがった」
「逃げないでくれ、頼む」
「俺はチョコとあの人に用がある」
ビッと青い手に指差される。
「ずいぶん大きくなったな」
このあいだも廃校で見た。そう言われた。あのときのURUがお前か。というかそんな低い声なのかよ!基本的に高音で巻き舌のような声で鳴く。ウルルルルルっと。もし僕ら話せるなら、夏に扇風機の前でやるあれみたいな声だと勝手に思っていた。
「あの頃うるうるの目でビビっていたガキが」
「え!?」
「私は国家URU研究部、対策室室長だ。ここにいる全員、見聞きしたことを忘れてもらう。しばらく見張りをつける。このURUは開発した翻訳機で話している。敵意はない」
「これ翻訳あってますか?顔と全然違うけど」
「あってるあってる」
うるなんたら室長ではなく、うるの方が返事をする。女子高生とおじさんは室長の仲間と出ていった。
「本気なのかね?こいつといて満足したら帰るというのは」
「はあ?」
「もちろん、夏までは帰らない!」
僕は訳がわからなかった。宇宙人が僕と暮らしたがってるって?
「僕に宇宙人養う金なんてないですよ、」
「それは心配ない、国が支援する」
「ヒロ、いいこにする」
「それに4月から新しい仕事始まるし」
「ルスバンする、ヒロが教えたんだ」
「私からもお願いするよ、ヒロトくん。夏までにURUを星に還してほしい」
「いや、8月31日まで!」
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