我々はうる、宇宙人だ

新吉

第1話うるだわれわれは

 我々はうるだ


 僕の子どもの頃の夢は宇宙人と友だちになることだった。


 2020/02/29

 今日は久々にクジラUFOを見に行ったら、学校がホテルになっていた。URUを校舎の影に発見。手をふったらふりかえしてくれた。



 宇宙人の名前はURU《うる》、国の人がつけた。うるう年にたった1日現れるから。見た目は青いくまのぬいぐるみ、だけど触るとしっとりとしていて、目と手と頭がごっちゃになる。でも本当は触っちゃいけない。法律違反だからだ。確認済生命体。多分我が星と似た水の星生まれ、水が大好き。水鉄砲で遊んだ記憶がある。夏の、きっと幻だろう。だってURUは2月29日を過ぎたら帰ってしまうんだから。


 UFOは廃校に停まっている。クジラみたいなお山。調べたら今では地球で4ヵ国1000箇所ほどが許可している。それもこれもたった一日のみであること、不可侵条約を結んでいるから。

 みんな一度驚き、ああ今年はうるう年だったかと思いだし、彼らを眺める。危害を加えたりしない。そりゃ慣れたもんだ。子どもの頃に学校で習う。そして慣れる。

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