9日目
「じゃあ、2年生はクラスごとに別れて整理をよろしく。本の順番は渡したプリントを見てくれ」
クールビューティーな印象の女教師。男子学生からは「レーコ先生」と呼ばれている彼女が今年の図書委員顧問の様だ。
「よしっ‼ じゃあ、他のクラスに負けない様にがんばろっか」
と、彼女はやる気に満ちている。わざわざジャージに着替えてまで。
「ほい、じゃあ次いで3年生は」
レーコ先生の声に、自然に皆の視線が集まったその先に。
「わ、あの人って、君のお姉さんだよね??
すっごい。小学校の時も確か図書委員だったよね? 」
とても無邪気な様子でそういう彼女に次いで、別のクラスの図書委員たちがざわざわと「え? あの人が? 」「ホントに? 」と口々に尋ねてくる。
「こらー、2年なにサボッとんだー‼ はよせんと、陽が暮れるだろー」
そのレーコ先生の注意で皆が雲を散らした様に持ち場に駆けていった。
いや、これは助かった。レーコ先生グッジョ。
「ねぇ、そいえば
あんまり、お姉ちゃんと似てないよね?
いや、お姉ちゃんを美人美人言っといてからなんだけど。君がそうじゃないって意味じゃなくてね? 」
彼女が本をリズミカルに棚に戻しながら言う。
「ああ~……まあ、俺達姉弟は二卵性だからね~」
俺も自然に返答した。
「ふぅん、そっか~」
彼女が全然気づかなかったので俺も返答に失敗した事に気付くのに、その後暫らくかかった。
――異世界転生まで
あと、91日――
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