100日後に異世界転生される俺。
ジョセフ武園
1日目
「起きなさい。今日から新学期でしょ」
母親は、そう言うとカーテンを開けて朝陽の光を部屋いっぱいに迎え入れた。
「まだ眠いよ」
俺は、異議を唱え掛布団を顔に掛けるが、圧倒言う間にはぎ取られた。
「もう‼ コロナの影響でたくさん休んだしょ? 早く起きて学校に行きなさい‼ 」
リビングに向かうと父と姉が着替えも済ましてもう食事を終えようとしているところだった。
「おはよう」
父親の挨拶に「うん」とだけ素っ気なく返す。
朝食は目玉焼きにキャベツの千切りとハム。んで母特製のタマネギと豆腐の味噌汁。正直朝は変わり映えする事がないので飽き飽きしてる。
「ごちそうさま」
姉は、俺の方を見もせずに食器をカチャカチャとまとめて、流しの母の所へ持っていく。
「はい、おねえちゃん。お弁当」
「ありがと」
俺は、横目でそれを見ると生涯15年間で水よりも多く飲んだ味噌汁を啜った。
「それでは、次のニュースです」
テレビのニュースキャスターがそう言った時。
「じゃあ、父さんもそろそろ行くかな」
と、父が立ち上がり、その四人掛けのテーブルは俺だけの孤島となる。
カチャカチャと姉と父の食器を洗う音と、俺の食事音が陽光の中に五線譜を立てていく。
--異世界転生まで
あと99日――
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