リスク・マネジメント

@stdnt

第1話

両国の関係は史上最悪になっていた。

お互いの核兵器の状態がこれまでにない危機レベルまでに高められていた。


核兵器発射ボタンを管理するオペレーションセンターのセキュリティは、

より厳重なものにされる必要があった。

センターを占拠されてしまっては、自らの核が脅威となりうるからだ。


国防大臣の主張により、センターには、新たに、セキュリティが追加された。


国防大臣は、平和主義・専守防衛の人物である。

敵国に渡り、何とか戦争を回避しようと交渉を開始したが、

そのさなか、ついに両国は戦闘状態に入ってしまった。


劣勢が予測されていた敵国は、すぐさま核兵器を発射した。

応戦すべく、すぐさまオペレーションセンターに向かった大統領は、

新たに追加されたセキュリティのロックに立ち尽くしていた。

敵の核兵器到達まで、もうあと数分しかなかった。


敵国でとらわれたはずの国防大臣は、その後、敵国の大統領となった。

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